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 日本の自動車メーカーがクルマ造りを抜本的に変える。ホンダやマツダは新たなプラットフォームを導入し、CASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)に対応した多種多様な車両を効率良く作れるようにする。日産自動車は自動運転などの先進技術で競争優位を狙う。2025年に向けて持続的な成長を実現するため各社は、販売台数優先から収益重視に戦略を転換する。

写真:トヨタ自動車、日産自動車、ホンダ
写真:トヨタ自動車、日産自動車、ホンダ
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 「高い販売目標を掲げ、その目標に合わせて生産体制を増強する。販売目標を達成するため、値引きして販売台数を確保する」─。日本の自動車メーカーのこうした事業モデルに限界が見えてきた。その要因には、「市場環境の変化」と「技術革新」という2つの要因が挙げられる。

 第1の要因は、世界の自動車市場の停滞である。中核の北米市場がピークアウトし、過剰な販売奨励金(インセンティブ)の投入によって収益が悪化している。中国も景気低迷などで、2018年は28年ぶりに前年実績を割り込んだ。欧州市場は、ディーゼルエンジン車の顧客離れや燃費規制の強化などの影響で成長が鈍る。こうした市場環境の変化が、日本メーカーの収益を圧迫する。

 第2の要因は、「CASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)」と呼ばれる技術革新である。トヨタ自動車社長の豊田章男氏は、「CASEによって現在の事業モデルが壊れる可能性がある」との危機感を示す。さらに、CASEに対応しながら持続的な成長を続けるには、「これまで以上にクルマ造りの力を強化しなければならない」と強調する。CASEに対応できる多種多様な新型車を効率的に造る“クルマ造り革新"が求められる(図1)。

図1 トヨタ自動車社長の豊田章男氏
図1 トヨタ自動車社長の豊田章男氏
「これまで以上にクルマ造りの力を強化しなければならない」と強調する。(撮影:日経Automotive)
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 こうした課題を解決するため日本メーカーは、クルマ造りを抜本的に変える取り組みを始めた。その主な柱は(1)新たな開発手法を導入し、多種多様な新型車を効率よく造る、(2)自動運転や電動化などの新技術を早期に新型車に搭載する、(3)高すぎる販売目標を見直して余剰の生産設備を減らし、収益を改善する─などである。