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日産、ゴーン流の拡大路線と決別

 日産自動車はこのほど、2022年度までの中期経営計画を見直した。元会長のカルロス・ゴーン(Carlos Ghosn)氏が推し進めた薄利多売の拡大路線を見直し、業績の改善を急ぐ。同社社長兼CEO(最高経営責任者)の西川広人氏は、「過去の負の遺産を一掃し、一刻も早い回復を目指す」と宣言する。

 日産の新中期経営計画「New Nissan Transformation」では、計画期間の最終年度となる2022年度末に14兆5000億円の売上高と、6%以上の売上高営業利益率(以下、利益率)の達成を目指すとした注1)。同社のこれまでの中期経営計画では、2022年度に16兆5000億円の売上高と8%の利益率を目標に掲げていたが、いずれも下方修正した。また2022年度の世界販売台数も、600万~650万台を計画する。ゴーン時代の計画より100万台以上減らす(図2)。

注1)ゴーン時代に作成した中期経営計画「パワー88」では2016年度までに、世界市場のシェア(市場占有率)で8%、利益率で8%を達成するとしていた。その後、2017年度からの6年間の中期経営計画(当初)では利益率の8%は維持したが、今回、世界シェア8%の旗は降ろした。
図2 日産自動車のリカバリープラン
図2 日産自動車のリカバリープラン
ゴーン時代の薄利多売の拡大路線と決別し、持続的な成長を目指す内容となった。日産自動車の発表情報を基に日経Automotiveが作成。
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 計画の達成に向けて同社は(1)米国事業のリカバリー、(2)事業・投資効率の適正化、(3)新商品・新技術を軸にした事業展開─という3つの柱を掲げた。第1の米国事業のリカバリーでは、インセンティブを増やして販売台数を確保する手法を改めた。利幅が少ないフリート販売(レンタカー会社などへの大口販売)も抑制する。こうした取り組みで、「値引きしないと売れない」という現状からの脱却を目指す。

 第2の事業・投資効率の適正化では、2022年度までに余剰の生産能力を10%減らし、生産効率を10%高める注2)。また、フランス・ルノー(Renault)と三菱自動車との3社連合の連携を強化し、新型車の開発効率を10%高める。西川氏は、「A/Bセグメントの小型車開発はルノーが主導し、C/Dセグメントの中型車開発は日産が主導するといった連携が考えられる」という。

注2)日産は2019年1月に、米ミシシッピ州のキャントン(Canton)工場と、メキシコの2工場で生産調整を行った。さらに、英サンダーランド(Sunderland)工場における次期SUV「エクストレイル」の生産を日本に移管することを決めた他、スペインのバルセロナ(Barcelona)工場でも生産規模の適正化を進めている。