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ホンダは次期シビックから新開発手法

 ホンダは新型車開発の手法を見直す。「2020年に投入する新しいグローバル車から順次、新たな開発手法を適用する」。同社社長の八郷隆弘氏は、2019年5月に開いた事業方針の説明会でこう説明した。新たな開発手法を初適用するのは、次期中型車の「シビック」とみられる(図4)。

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図4 ホンダ・アーキテクチャーで開発効率を高める
(a)セダンとライトトラックで基本骨格を共有する。(b)2020年に発売する新型「シビック」から適用する。写真は現行車。(出所:ホンダ)

 同社の新開発手法「ホンダ・アーキテクチャー」は、基本的にはトヨタの「TNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)」と似る。クルマのプラットフォームを「部品の共有領域」と「車種ごとの個性領域」に分け、部品の共通化と開発工数の低減を目指す。「部品の共有領域は、車両全体の約70%になる」(八郷氏)という。

 これにより量産車の開発工数を30%削減し、電動化や自動運転などの先進技術の開発に振り向ける。新開発手法の電動車両への適用については、ハイブリッド車(HEV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)を視野に入れる。EVに対しては、別のアーキテクチャーの適用を想定する。

 新たな開発手法を導入した上でホンダは、増えすぎた派生車の数を減らす。「グローバル車の派生数を、2025年までに現在の1/3に減らす。地域専用車については、競争力がある車種に集約することで効率を高めていく」と八郷氏は言う(図5)。

図5 ホンダの中期経営方針
図5 ホンダの中期経営方針
四輪事業の強化と電動化の推進が柱。車両開発では新たな手法「ホンダ・アーキテクチャー」を導入する。ホンダの発表情報を基に日経Automotiveが作成。
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 現在、ホンダのグローバル車には「シビック」「アコード」「CR-V」「フィット」「ヴェゼル」の5車種があり、世界販売台数の60%を占める。ただ、顧客ニーズへの対応を各地域で個別に進めた結果、派生車の数が増えすぎて、収益を悪化させる要因になった。

 これらの5車種については派生数を現在の1/3に減らし、開発・製造効率を高める。ただし、「車種数の削減は考えていない」(八郷氏)とする注3)。一方、地域専用車には北米向けの中型SUV「パイロット(Pilot)」、中国向けの小型セダン「クライダー(Crider)」などがある。これらの車種については、1つの車種を複数の地域に投入する計画である。

注3)ホンダ副社長の倉石誠司氏は、「グローバル車の派生数を1/3に減らしても、世界販売台数の約90%をカバーできる」という。