PR
写真:日経Automotive、日本電産
写真:日経Automotive、日本電産
[画像のクリックで拡大表示]

およそ2年前、電気自動車(EV)の駆動用モーターに名乗りを上げた日本電産の存在感が高まっている。今回、中国・広汽新能源汽車(GAC New Energy Automobile)の2車種で電動パワートレーン製品が採用されることが明らかとなった。中国からの引き合いは強く、2030年ごろまでの受注の見通しも立った。日本電産は、独ボッシュ(Bosch)や同コンチネンタル(Continental)といったメガサプライヤーに戦いを挑む。

 「中国企業からは、モーター単体ではなくECU(電子制御ユニット)などもパッケージ化したモジュール製品として納品してほしいという要望が強まっている」─。日本電産の会長兼CEO(最高経営責任者)の永守重信氏は、激変する中国の電気自動車(EV)向け電動パワートレーン製品の需要に目を向ける。

 同氏は「中国からの引き合いは非常に強い。2028年ごろまで受注が積み上がっている」と述べる。中国・広州汽車集団(GAC Motor)の傘下でEV販売を担っている完成車メーカーの広汽新能源汽車(GAC New Energy Automobile)が、同社の電動パワートレーンの採用を決めた。

 とはいえ、EV向けの車載事業は強豪がひしめく市場だ。独ボッシュ(Bosch)、同コンチネンタル(Continental)、同ZF、米ボルグワーナー(BorgWarner)といった海外メーカーに加え、日本国内メーカーの動きも活発だ。2019年4月には、デンソーとアイシン精機が電動パワートレーンを開発・販売する合弁会社「BluE Nexus(ブルーイー ネクサス)」を設立。「2020年のなるべく早い時期に事業化する」と目標を定める。

 それでも、日本電産は攻めの姿勢を崩さない。足場を固めて競争力の強化を急ぐ。車載事業の補強を狙ったオムロンの子会社「オムロンオートモーティブエレクトロニクス(OAE)」の買収をきっかけに、2020年度の車載事業の売上高の目標を当初の6000億円から1兆円に引き上げた(図1)。2018年度と比べて約3倍に当たる急成長を目指す。

図1 車載関連の事業で1兆円を目指す
図1 車載関連の事業で1兆円を目指す
2019年4月のオムロンオートモーティブエレクトロニクスの買収をきっかけに、2020年度の車載事業の売上高目標を当初の6000億円から1兆円に引き上げた。日本電産の資料を基に日経Automotiveが作成。
[画像のクリックで拡大表示]

 「頭にあるのは世界一だけ」と永守氏。これまでに培ってきたモーター技術や事業展開のスピード力、コスト競争力などを武器に、早々に中国市場を席巻し、メガサプライヤーの牙城の切り崩しにかかろうとしている。