トヨタ自動車とNTTグループは、500万台規模のコネクテッドカーに対応できる次世代のデータ処理基盤を共同開発した。並列処理技術を駆使し、通常のクラウド環境に比べて処理時間や応答時間を短縮した。今後はエッジコンピューティングの導入により、さらなる高速化を目指す。
トヨタ自動車は2019年12月、コネクテッドカーが生成する大量のデータを短時間に処理できるコンピューティング基盤技術をNTTグループと共同で開発したと発表した(図1)。500万台相当のコネクテッドカーを同時に扱えるほか、道路上の障害物を車載カメラで捉えてから、他の車両に通知するまでの時間を約15秒に短縮できた。
トヨタはKDDIと資本関係にあるが、今回の技術開発では「データ処理技術や標準化活動などで強みを持つNTTグループと組んだ」(トヨタ コネクティッドカンパニー ITS・コネクティッド統括部 主査の村田賢一氏)という。トヨタとNTTグループは自動車向けのエッジコンピューティング技術に関するコンソーシアム「Automotive Edge Computing Consortium(AECC)」でも協力している。両社はこれらの活動を通じて、開発した技術を国際標準に押し上げ、この分野の主導権を握りたい考えである。
なお、両社は共同開発について2017年3月に発表済みである。今回はその進捗状況を説明した。