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画像:トヨタ自動車
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トヨタ自動車が異例の対応を決めた。2021年4月に発売した高度運転支援技術「Advanced Drive(アドバンストドライブ)」を搭載する高級車「レクサスLS」と燃料電池車(FCV)「MIRAI(ミライ)」に今後、3個のLiDAR(レーザーレーダー)を後付けで無償追加する。販売後の車両の部品を更新する“ハードウエアアップデート(ハード更新)”は、トヨタとして初めての取り組みとなる。

 「本当は後方や側方にもLiDARが欲しかった。だが、当社が求める性能のセンサーが、4月の発売のタイミングでは間に合わなかった」。Advanced Driveの開発を担当した川崎智哉氏(トヨタ自動運転・先進安全開発部第8開発室長)は打ち明ける。

 Advanced Driveは、カー・ナビゲーション・システムで目的地を設定すると、車載システムが運転者を監視しながら、周囲の状況に応じて認知・判断・操作を支援する。高速道路において車線・車間維持、分岐、車線変更、追い越しなどをシステムが支援するため、運転者は負担を軽減できる。

 周辺監視用のセンサーとしては、従来のミリ波レーダーやステレオカメラに加えて、前方LiDARや望遠カメラなどを搭載した。トヨタはAdvanced Driveの機能向上に合わせ、レクサスLSとMIRAIに後方と左右に1個ずつLiDARを追加していく計画である(図1)。

図1 「Advanced Drive(アドバンストドライブ)」を搭載する「MIRAI(ミライ)」
図1 「Advanced Drive(アドバンストドライブ)」を搭載する「MIRAI(ミライ)」
前方LiDAR(レーザーレーダー)や深層学習(ディープラーニング)ベースのAI(人工知能)技術、OTA(Over The Air)によるソフトウエア更新など、新技術を多く盛り込んだ。(出所:トヨタ自動車)
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 同社は今後、他の車両にもハード更新を展開していく意向だ。Advanced Driveに次ぐ第2弾として検討しているのが、クルマを月額一定の料金で利用できるサブスクリプションサービス「KINTO(キント)」の車両である。同社は21年6月、ソフト更新で走行性能を高めるサービスを発表。トヨタ幹部が、ハード更新にも踏み込むと明かした。