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トヨタ自動車は2021年7月、小型ハイブリッド車(HEV)「アクア」の新型を発売した。初代の登場から10年、「次の10年を見据えたコンパクトカー」は初めての全面改良でどう変わったのか。

写真:トヨタ自動車、トヨタ自動車東日本
写真:トヨタ自動車、トヨタ自動車東日本
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 「『ヤリス』がある中での『アクア』らしさ。多くの人が苦労したんじゃないか」─。開発陣の苦労を代弁するのは、トヨタ社長の豊田章男氏である。

 初代アクアが登場したのは2011年12月。最大の売りは燃費で、「プリウス」超えが初代の開発陣に与えられた課題だった。結果、アクアが実現した燃費は35.4km/L(JC08モード)。プリウスが持つ32.6km/L(JC08モード)という世界最高の低燃費を塗り替えたことが大きな話題になった。

 初代アクアの価格は169万円(消費税込み)からと、当時のHEVとしては異例の安さも注目を集めた。優れた燃費性能や手に入れやすい価格を武器に、独自の地位を築いたアクアの販売台数は累計で187万台を超えた。

 初代の衝撃から10年を経て、アクアを取り巻く環境は一変した。ホンダ「フィット」や日産自動車「ノート」など、競合メーカーが続々と小型HEVを投入した()。トヨタ社内に目を向ければ、「ヤリス」の好調ぶりが目立つ。「アクアの役割は終わったのではないか」。身近にして最大のライバルを前に“アクア不要論"が出たほどだ。

表 新旧アクアと各社の小型HEVの比較
各社の発表データを基に日経Automotiveが作成。(写真:トヨタ自動車、ホンダ、日産自動車)
表 新旧アクアと各社の小型HEVの比較
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