ドイツを中心とする欧州のメガサプライヤーや日本電産などが先行する電動アクスル(eアクスル)市場にジヤトコが挑む。競合がひしめく中で、ジヤトコは後発からどう巻き返すのか。幹部への取材と試乗から戦略が見えてきた。
一見すると何の変哲もない日産自動車の電気自動車(EV)「リーフ」(図1)。秘密はフロントフード下に隠されていた。実はこの車両、ジヤトコのEV向け電動アクスル(eアクスル)を組み込んだ試作車である(図2)。水面下で開発を進め、一部の自動車メーカーが評価中だ。日経Automotiveは今回、メディアとして初めて、この試乗車を運転する機会を得た。
電動アクスルは、モーターやインバーター、ギアボックス〔減速機と差動歯車装置(デフ)〕から成る電動駆動システムである。CVT(無段変速機)市場で世界シェア首位を握る変速機メーカーのジヤトコは、2025年までに電動アクスル市場へ参入することを目指す。