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「このままではじり貧になる。消える前に、何とか“新天地”を探さないと」─。悲壮感を漂わせながら訴えるのは、ある日系エンジン部品メーカーの幹部である。内燃機関車の販売禁止や電気自動車(EV)シフトといった逆風が吹き荒れるエンジン部品業界で、生き残りに向けた動きが表面化してきた。

(写真:トヨタ自動車、日経Automotive)
(写真:トヨタ自動車、日経Automotive)
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 大きな動きがあったのは2022年7月末。リケンと日本ピストンリングが、2023年をめどに経営統合することで基本合意したと発表した。2022年11月中の最終合意を目指し、2023年4月に共同持ち株会社「リケンNPR」を設立する予定。

 両社はいずれも、エンジンのピストンリングを主力製品とする自動車部品メーカーである。リケンの主要顧客はホンダで、日本ピストンリングはトヨタ自動車に部品を多く供給する。今回の統合によってリケンNPRは、ピストンリング市場の世界シェアが3割近くに高まる見通しである。

 リケン社長兼最高経営責任者(CEO)兼最高執行責任者(COO)の前川泰則氏はかねて、「エンジン車のピークは2030年前後」と語ってきた。ピークを過ぎてもエンジン車がすぐになくなるわけではないが、今が動くときだと判断したのだろう。経営統合によって規模を確保し、残存者利益を狙える競争力や体力を維持していく。

 残存者利益を狙う道は、「攻めと守り」で言うと守りにあたる。だが、守る一方では、冒頭の発言のようにいずれじり貧になる。そのことを部品メーカー各社は肌で感じており、生き残りに向けた攻め筋を探る。エンジン技術の新しい出口はどこか。