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目次
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自動運転車のバーチャルテストが実用期へ
標準化の動きが後押し
コンピューターシミュレーションによって自動運転車の走行テストをする「バーチャルテスト(仮想テスト)」がいよいよ本格的な実用期を迎える。バーチャルテストの仕組み(フレームワーク)を標準化する国際的な動きによって、仮想空間に配置する道路などのデータ整備が進んでいるためだ。
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一般道でも自動運転「レベル3」
AI使わず経路作成、高精度で追従
三菱電機は、一般道における「レベル3」以上の自動運転に向けた経路の生成技術と車両の制御技術を開発した。一般道における自動走行の精度を高められるシステムで、大きな舵角(だかく)で旋回する場合や、急な操舵(そうだ)が必要な場合などでも、リアルタイムで作成した経路を高精度で追従できる。
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トヨタFCV、システムコスト半減、次の一手はモジュール外販
世代ごとにシステムコストを半減する─。トヨタ自動車はハイブリッド車(HEV)で課してきた鉄の掟(おきて)を、燃料電池車(FCV)にも適用した。1997年発売の初代「プリウス」以降、トヨタは約20年の間にハイブリッドシステムを第4世代まで進化させてコストを劇的に低減。
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ホンダのレベル3自動運転車、高速道路の渋滞時にアイズオフ
市販車としてレベル3(アイズオフ)の自動運転機能を世界で初めて搭載したホンダの新型セダン「LEGEND Hybrid EX・Honda SENSING Elite」(以下、レジェンド)。2021年3月、100台限定でリース販売を開始した。
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新型レヴォーグ、欧州車並みにドア閉まりやすく
SUBARU(スバル)の新型「レヴォーグ」は、前後のドアを閉まりやすくした。ドアは重くすると閉まりやすくなるが、高齢者や女性などにとって重いドアは閉めにくい。ドアの質量増加は、燃費性能に悪影響を及ぼす問題もある。
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発火相次ぐEV、電池管理システムのOTAで対応へ
電気自動車(EV)の火災事故が後を絶たない。中国政府は2021年2月、米Tesla(テスラ)の中国法人に対してEVに搭載されている電池の発火などの問題について行政指導を実施したと発表した。
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車載プロセッサーの2強が激突、統合ECUで技術競う
次世代車の“頭脳”ともいえる統合ECU(電子制御ユニット)を巡り、半導体メーカーの競争が激化している。セントラルゲートウエイ向けの車載SoC(System on Chip)でルネサスエレクトロニクスに先を越されたオランダNXP Semiconductors(NXPセミコンダクターズ)は、独自のアク…
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CESで見えた未来
2021年1月の総合展示会「CES」では、クルマの未来につながる展示が多かった。独Daimlerが大型の次世代インストルメントパネルを出展したほか、パナソニックが前方の道路形状に重ね合わせて矢印などを表示するAR(仮想現実)HUDナビを公開した。半導体やIT技術が技術革新の主役として位置付けを高め…
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デンソー出資のAI半導体メーカー、“第3のプロセッサー”で都市狙う
デンソーやドイツDaimler(ダイムラー)が出資する米AI(人工知能)半導体ベンチャーBlaize(ブレイズ)が日本での事業を本格化する。「GSP(グラフ・ストリーミング・プロセッサー)」と呼ぶ独自の半導体を使い、AI処理を高速かつ低電力でこなす。狙う市場はクルマのほか、スマートシティーや産業機…
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ベンツ「Sクラス」全面改良、世界初のリアエアバッグ搭載
ドイツDaimler(ダイムラー)は、高級車ブランド「Mercedes-Benz(メルセデス・ベンツ)」の旗艦セダン「Sクラス」を8年ぶりに全面改良した。注目すべきは、衝突を回避する先進運転支援システム(ADAS)の改良だけでなく、衝突後の被害を軽減するパッシブセーフティーの機能も高めた点である。
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レクサス板金技術者が挑んだ、プレスライン「R3」の壁
部分改良でありながら、外板パネルのほとんどを刷新した車両がある。トヨタ自動車のセダン「レクサスIS」だ。目を引くのが、トランクリッドやフェンダーなどに刻まれたシャープなプレスライン。「R3」(曲率半径3mm)という異例の鋭さを実現するため、トヨタの板金技術者は「世界初」の工法を編み出した。
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スバル「レヴォーグ」の全貌
スバルが新型「レヴォーグ」で、ステレオカメラを使う運転支援システム「アイサイト」の新世代版を搭載した。衝突安全でもボディー骨格に工夫を凝らした。予防安全から衝突安全まで、スバルの最新技術が組み込まれている。
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マツダ「MX-30」、安全性能で追い上げる
マツダは2020年10月、小型SUV(多目的スポーツ車)の新型「MX-30」を日本で発売した。同社の小型車向け新プラットフォーム「スモール」を適用した第3弾の車両で、今回発売したのは簡易ハイブリッド車(MHEV)である。電気自動車(EV)は、21年1月に日本で発売する。電動専用車として開発した同車…
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スズキの新型「ソリオ」、電動車をMHEVに集約
スズキは2020年12月、背高ワゴンタイプの小型車「ソリオ」を全面改良して発売した。先代車ではガソリンエンジン車とハイブリッド車(HEV)、簡易ハイブリッド車(MHEV)を設定していたが、新型車ではHEVの設定を見送った。新型車の開発に当たって同社は、予防安全性能や衝突安全機能を強化したことに加え…
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ホンダ、ワイガヤにAI活用、知財の仕分け作業は7割減に
社内で事例続々
自動運転車に欠かせない技術として開発が進むAI(人工知能)。「レベル3」の自動運転車の実用化で先陣を切るホンダも例外ではなく、障害物の検知や走行経路の決定などに使うAIの開発を進める。だが、自動車メーカーにとってのAIの用途は自動運転だけではない。ホンダは、AIを社内の業務改善に積極活用し始めた。
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路上走行のRDE試験を室内模擬
排ガス規制強化待ったなし
路上走行で排ガス量を評価するRDE(Real Driving Emissions)試験─。欧州に続き、日本や中国、インドが導入を予定する。しかも、RDE試験を含め排ガス規制は強化の見通し。通常のサイクル試験に比べて幅広い環境下での評価が必要なRDE試験では、大幅な開発工数の増大が見込まれる。室内で…
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ダイハツが貫く、ガラス製ルーフ
ダイハツ工業は、SUV(多目的スポーツ車)タイプの新型軽自動車「タフト」に、ガラス製ルーフを標準搭載した。明るくて開放感のある車内や、広い前方視界を実現するのが狙いである。ただ、ガラス製ルーフは鋼板製ルーフよりコストが増える。200万円を切る低価格の車両に、ガラス製ルーフを標準搭載するのは珍しい。…
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「脱モービルアイ」は、車載AIカメラから
AI(人工知能)ベンチャーの米StradVision(ストラドビジョン)が自動車のADAS(先進運転支援システム)市場で注目を集めている。同社のAIソフトを搭載したルネサスエレクトロニクスの車載SoC(System on Chip)が欧州1次部品メーカー(ティア1)のADAS用カメラに採用された。…
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日産、本気のCFRP量産化
鉄を使い切る方針を転換
日産自動車は、炭素繊維強化樹脂(CFRP)製部品の量産技術を開発した。同社は既にCFRP製のルーフやフロントフードなどを、高級スポーツ車など一部の車種に採用している。量産技術の開発によってCFRP製部品のコスト低減が可能になり、量産車への適用に道が開けた。日産が開発した量産技術の詳細と、量産車への…
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踏み間違い防止装置、異例 “スピード開発”の舞台裏
車を悪者にしない─。自動車メーカー各社が異例の開発スピードで対応したのが、アクセルペダルとブレーキペダルの踏み間違いによる急発進を抑制する後付け装置だ。きっかけは、2019年4月に東京・池袋で発生した事故。社会課題となってきた高齢者による自動車事故をどう防ぐか。開発の舞台裏に迫った。