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目次
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日産、本気のCFRP量産化
鉄を使い切る方針を転換
日産自動車は、炭素繊維強化樹脂(CFRP)製部品の量産技術を開発した。同社は既にCFRP製のルーフやフロントフードなどを、高級スポーツ車など一部の車種に採用している。量産技術の開発によってCFRP製部品のコスト低減が可能になり、量産車への適用に道が開けた。日産が開発した量産技術の詳細と、量産車への…
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トヨタのセンサーレス、急加速防止
ペダル踏み間違い事故を減らせ
アクセルペダルを踏み間違えて急加速したことによる事故の発生が後を絶たない。こうした事故を減らすためトヨタ自動車は、新たな「急加速抑制システム」を開発した。他社を含めて、超音波センサーを使うこれまでのシステムは、壁などの障害物がある場合にしか対応できなかった。トヨタの新システムは超音波センサーを使わ…
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カーナビを超えて、統合コックピットへ
国内3社が主導権争い
国内のカーナビメーカーが生き残りをかけて変革に乗り出した。目指すは統合コックピット事業で主導権を握ること。カーナビ大手のパイオニアはきめ細かなソフトウエア対応、三菱電機は自動運転向けコア技術、アルプスアルパインは次世代HMI(ヒューマン・マシン・インターフェース)に注力する。カーナビで培った経験を…
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テスラが電池内製化、目指すはEVプラットフォーマー
米Tesla(テスラ)の長期戦略が見えてきた。2020年9月に開いた電池事業の説明会「Battery Day(バッテリーデー)」で、コストを従来品から半減させたリチウムイオン電池を内製すると発表。30年には3TWhもの生産能力を自社で抱える計画で、年間2000万台の電気自動車(EV)を製造できる体…
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ホンダ、常識覆すボディー設計
ホンダが衝突安全に対するボディー設計の手法を変え始めた。中型セダン「アコード」の日本仕様車で、ボディー骨格に適用する高張力鋼板の強度を下げ、コストを抑えながら衝突安全に対応した。日本の自動車アセスメント(JNCAP)の最新の衝突安全試験で同車は好成績を残した。ホンダの新たな設計手法は、実際の試験で…
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ホンダ量産EV、「開発費は回収できない」の真意
ホンダが日本と欧州に投入する新型の電気自動車(EV)「Honda e(ホンダ イー)」。最大の疑問は、年間1万1000台と低い販売目標の車両向けに、なぜEV専用のプラットフォームを新規開発する必要があったのかという点だ。開発陣に真意を聞いた。
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トヨタ「e-Palette」、鉄道用ドア採用
トヨタ自動車はMaaS(Mobility as a Service)向け自動運転EV(電気自動車)「e-Palette」に、富士電機の鉄道用ドア開閉システムを採用した。クルマのドアの開閉に鉄道用のシステムを使うのは、今回が初めてとみられる。クルマのドア開閉システムを手掛けるメーカーにとって、強力な…
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サイバー攻撃、電池が標的に
インフィニオンが指摘
クルマへのサイバー攻撃で「電池」が標的になる可能性をドイツInfineon Technologies(インフィニオンテクノロジーズ)が指摘した。ハイブリッド車(HEV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)、電気自動車(EV)などが搭載するリチウムイオン電池のBMS(電池管理システム)がサイバー攻…
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レベル4で変わる、自動運転の安全規格
米国の2強が先手打つ
自動運転レベル3に関する国内法の整備で世界に先行した日本。2021年1月には、その基となった自動運転レベル3に関する初めての国際基準が発効することも決まった。だが、自動運転レベル4関連では、米国が攻勢を強める。20年4月には完全自動運転向けとして世界初となる安全規格を発行、有力規格策定団体2者が手…
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日産リーフの中古電池はどこへ行く
再利用にあの手この手
日産自動車の電気自動車(EV)「リーフ」は、2020年12月に初代の発売から10年を迎える。クルマの寿命を10年とすると、いよいよ使用済み電池(中古電池)の本格的な回収が始まる。ただ、再利用は容易でなく、倉庫に山積みになるリスクも抱える。リーフの中古電池はどこまで再利用できるのか、取り組みの最前線…
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百花繚乱のBEV用、発電エンジン
本命はロータリーにあらず
技術の進化による改善はみられるものの、エンジン車に比べて航続距離が短く、充電に時間がかかる─。電気自動車(BEV)が抱える課題だ。その当面の助け舟となるのが、レンジエクステンダー(RE)と呼ばれる補助発電機だ。多くの方式が提案されているが、本命はどの方式なのか─。エンジンの専門家に解説してもらう(…
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トヨタ「NX」をハッキング
テンセントKeen Security Labの最新報告から
中国テンセント(Tencent)のセキュリティー研究チームが、トヨタ自動車のレクサス「NX300」のハッキングに成功した。近距離無線経由で、ボディー関連部品を遠隔操作できるものだ。トヨタはハッキングの報告を受けた後、“歓迎”の意向を表明し、適切に対応した。過去の苦い経験をしっかり生かした。自動車セ…
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日産の新中期計画
生き残りかけ構造改革を断行
日産自動車は2020年5月末、新たな中期経営計画「NISSAN NEXT」を発表した。世界の生産能力と人員を削減する構造改革が柱で、車種や市場の“選択と集中"などにより、19年度に最終赤字となった業績のV字回復を目指す。同社は18年度から世界販売が落ち込み、業績が急激に悪化。そこに、新型コロナウイ…
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自動運転で、中国勢が躍進
Waymoが王座から陥落
米カリフォルニア州の車両管理局(DMV)は2020年2月末、同州の公道で実施された。自動運転車の2018年12月からの1年間の試験結果をまとめた報告書を発表した。目を見張るのが中国系企業の躍進ぶり。米Waymoを超える結果を出した企業もあった。サンフランシスコ市を中心に試験を繰り返す米Genera…
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中国・環境規制強化の衝撃
簡易HEVは実質23年まで
燃費や二酸化炭素(CO2)の排出量の低減に向けた1つのアプローチとして、期待されているのが簡易ハイブリッド車(簡易HEV)である。だが、その賞味期限は、環境規制の強化を予定する中国では、実質的に2023年までになる可能性がある。ハイブリッド車(HEV)に強い日本勢には追い風だが、プラグインハイブリ…
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トヨタのFCV戦略、コスト半減で反攻へ
電気自動車(EV)の勢いに押され、存在感が薄れている燃料電池車(FCV)。だが、この劣勢をひっくり返す動きが出てきた。引っ張るのはトヨタ自動車だ。燃料電池(FC)システムの最大の課題だったコストを、従来の1/2に低減した新型車を2020年末に発売する。心臓部のFCスタックは、他社の乗用車や商用車、…
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曲がり角のLIDAR、ソニーは生き残れるか
カメラやミリ波レーダーと並んで、自動運転車向けの周辺監視用センサーの「三種の神器」と呼ばれる3次元LIDAR(レーザーレーダー)。自動車メーカーが車両への搭載に向けて検討を進めていることを受けて、既存の部品メーカーだけでなく多くのスタートアップがLIDARの開発に乗り出している。だが、ここへきて雲…
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ホンダ、新型「フィット」
燃費より安全に軸足
ホンダは新型の小型車「フィット」を、2020年2月に発売した。最大の競合車は、同時期にトヨタ自動車が発売した新型「ヤリス」である。安全・環境性能を大幅に高めたヤリスに対して、フィットは燃費性能で勝負する道を選ばなかった。“心地よさ”や単眼カメラを使った安全性能などを武器に、ヤリスとの対決に挑む。
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日本電産が先制攻撃、EVモーターの生産技術強化
日本電産が電気自動車(EV)向け駆動用モーター事業の強化に向けて大胆な手を打った。元日産自動車幹部の関潤氏が2020年4月1日付で社長に就任。EV向けモーターのラインアップも拡充して“先制攻撃”を仕掛ける。だが、世界シェア35%という目標を掲げる同社が真っ先に取り組むべきは、生産技術の蓄積によるコ…
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狙うは法人“上級送迎”市場、新型ミニバン「グランエース」
3、4人の要人を送り迎えできる“上級送迎”のための高級ミニバン―。トヨタ自動車が、そうした市場を日本国内でも開拓しようと発売したのが、新型高級ミニバン「グランエース」だ。この種のクルマでは、要人は後席に座る。後席における乗り心地や操縦安定性、居住性、静粛性にこだわって開発した。