PR

自動車技術の総合展示会「人とくるまのテクノロジー展2018横浜」が2018年5月下旬にパシフィコ横浜で開催された(図1)。電動化関連ではリチウムイオン電池やインバーターが着実な進化を遂げた他、自動運転ではセンサーに人工知能(AI)技術を活用する事例が目立った。

図1 「人とくるまのテクノロジー展2018横浜」の会場風景
[画像のクリックで拡大表示]
図1 「人とくるまのテクノロジー展2018横浜」の会場風景
[画像のクリックで拡大表示]
図1 「人とくるまのテクノロジー展2018横浜」の会場風景
3日間で約9万3400人の参加者が訪れた。

 「当社は電気自動車(EV)化で本当に遅れている」。スズキ社長の鈴木俊宏氏は講演でこう打ち明けた(図2)。スズキは2020年にまずはインドでEVを投入する。発売するEVの例として「イグニス」のような小型SUV(スポーツ・ユーティリティー・ビークル)を挙げる。ただし、小型SUVのEVでガソリン車と同等の性能を実現しようとすると、「電池だけで300kgになる」(同氏)。質量の増加に耐えられるようにボディーや足回りの剛性を高める必要がある。「小型車を電動化するのは本当に大きな問題」(同氏)と率直に訴えた。

図2 講演するスズキ社長の鈴木俊宏氏
図2 講演するスズキ社長の鈴木俊宏氏
小型車はEV化によるコストや質量の増加の影響が大きく、解決すべき課題が多いとの認識を示した。車両開発だけでなく充電インフラの整備や電池材料の安定調達などの課題も挙げた。
[画像のクリックで拡大表示]

 日野自動車は、商用車に向けたEVの専用プラットフォームを開発し、その原寸モデルを展示した(図3)。いわゆる「1.5t車」クラスの小型トラックなどへの適用を想定する。前輪駆動とすることで、床下に電池を敷き詰められるようにした。従来のエンジン車では860mmだった床面地上高を400mmほどまで低床化できた。これにより、「トラックでは荷物の積み下ろしが容易になる」(日野自動車の担当者)という。低床なため、EVプラットフォームを小型バスにも適用できそうだ。

図3 後方から撮影した日野自動車のEVプラットフォーム
図3 後方から撮影した日野自動車のEVプラットフォーム
モーターは最高出力70kW、最大トルク280N・m。リチウムイオン電池の容量は28kWhで、床下に搭載する。1回の充電で約100km走行できる。充電時間は、普通充電で約8時間、急速充電で約45分。
[画像のクリックで拡大表示]

 エンジンの研究開発を手がけるオーストリア・エイヴィエル(AVL)は、48Vマイルドハイブリッド車(HEV)システムを想定するデモ車両を展示した(図4)。エンジンルーム内に48V用システムの追加装着を提案する。合わせて、AVLが2016年に開発したコンセプトエンジン「HyPer200」を日本で初披露した注1)

図4 48V仕様のマイルドHEVシステムを想定したAVLのデモ車両
図4 48V仕様のマイルドHEVシステムを想定したAVLのデモ車両
48V用システムの追加装着を提案した。また、AVLが2016年に開発したコンセプト・エンジン「HyPer200」を日本で初披露した。(写真:小河原 認)
[画像のクリックで拡大表示]
注1)ベースとなる排気量1.75Lの直噴ガソリン直列4気筒エンジンに、2基のコンプレッサー付きターボチャージャーや1基の電動スーパーチャージャー(48V仕様)を装着。その名の通り1L当たり200kWとなる最高出力349kW/8000rpm、最大トルク422N・m/7000rpmを実現した。