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2019年1月に開催された自動車技術の総合展示会「オートモーティブワールド2019」では、前年とは違った一面があった。2018年の前回は米ウーバー・テクノロジーズ(Uber Technologies)が実証実験中に起こした死亡事故の影響があり、「自動運転」関連のブースはひっそりとしていた。しかし、今回は違った。自動運転のエリアは、他のどの技術要素よりも華やかで力強い勢いがあった。全体を通して、自動運転、電動化、軽量化の3つの技術に注目が集まった。

 ひときわにぎわいを見せていたのはマクニカ。同社はこれまで商社として自動運転技術に関するハードウエアやソフトウエアの販売を手掛けてきた。ここへ来て自社ブランドによる開発環境のパッケージを提供し始めた。

 ヤマハ発動機の子会社ヤマハモーターパワープロダクツが生産する電動カートは、制御のしやすさと積載能力の高さから自動運転関連の企業からの利用も多い機種。これに大学発の自動運転ベンチャーであるティアフォー(Tier IV)が開発したオープンソースの自動運転ソフトウエア「Autoware」やLIDAR(レーザーレーダー)、カメラ、センサーを搭載したAIパイロットと呼ばれるルーフ上のセンシングデバイスを組み合わせた。

 受注生産の自動運転開発車両の見本として「レクサスRX」の自動運転車両が展示されていた(図1)。こちらはルーフには8方向のカメラがあり、中央にはそそり立つようにLIDARが設置されている。荷室には米エヌビディア(NVIDIA)の最新GPU「Xavier」を搭載した自動運転用コンピューターとストレージが搭載されており、カメラとLIDARからの情報をモニターに表示していた。搭載しているストレージ容量は80TB。1分の走行でも相当なデータ量になるので、膨大なデータを収集して開発を行うためには、これくらいのストレージが必要という。

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図1 マクニカの展示
(a)トヨタ「レクサスRX450h」をベースとした自動運転開発車両と、ヤマハの電動ゴルフカートをベースにした開発車両を展示。幅広い開発環境への対応を感じさせた。(b)荷室に設置した自動運転の解析と制御のためのコンピューターとストレージ。モニターは展示のために設置されたものだ。(撮影:筆者)

 もう1つの大学発自動運転ベンチャーであるZMPは、MEMS式のLIDARを公開し、その解析能力の高さをアピールしていた(図2)。

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図2 ZMPの展示
(a)レクサスRX450hのルーフに、MEMSソリッドステートLIDARを取り付けた。左右角120度、上下20度の範囲を200m先まで0.1度単位(上下は0.25度)で検知できる。センサー自体は中国のロボセンス(RoboSense)製。(b)MEMSソリッドステートLIDARによる検知のデモ画面。従来のLIDARと比べ、表示が微細であることが分かる。(撮影:筆者)