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2019年4月16~25日に中国・上海で開催された「上海モーターショー2019(Auto Shanghai 2019)」の会場に、電気自動車(EV)がずらりと並んだ(図1)。中国政府が2019年に導入を始めた「NEV(New Energy Vehicle)規制」を受けて、自動車メーカー各社は対応を急ぐ。日本や欧米などの海外勢で目立ったのは、中国専用のEVを用意して規制を“しのぐ”戦略だった。

図1 上海モーターショー2019の会場の様子
図1 上海モーターショー2019の会場の様子
電気自動車(EV)を中心とする新エネルギー車が218台展示された。写真は米テスラ(Tesla)のブース。(撮影:日経Automotive)
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 「2019年は罰則がないので様子見。他社の戦略を分析しつつ、政府の姿勢を見極めていく」─。ある日系の中国担当役員が明かす、自動車メーカーの本音だ。

 中国でNEV規制の導入が始まった。EVやプラグインハイブリッド車(PHEV)、燃料電池車(FCV)の生産・輸入を一定割合で義務付けるもの。エンジン車の生産台数にある係数(要求比率)をかけて求めたクレジット(生産枠)で管理する。

 NEV生産枠の要求比率は、2019年に10%、2020年に12%となっている注1)。達成できなければ、他社からクレジットを購入しなければならない。さらに、燃費規制を満たしていない車種の販売が禁止される可能性もある。

注1)トヨタ自動車と日産自動車、ホンダの日系3社はそれぞれ、2020年時点で160万台前後のエンジン車を生産する計画。NEV規制をクリアするためには、EVなら4万台程度、PHEVなら10万台程度の生産が必要になる。

 NEV規制の要求は厳しいものの、市場は急速に拡大している。中国自動車工業協会によると、2018年のNEVの販売台数は125万6000台だった。対前年比で60%以上増えた。

 今後も成長が予想されているが、自動車メーカーは中国のEV市場との向き合い方に頭を悩ませる。政府は2020年に電動車両への補助金を撤廃する方針で、「EVを値ごろ感で買っていた消費者が離れていく可能性がある」(同役員)。

 補助金がない中でNEV規制をクリアするためには、コスト競争力がこれまで以上に重要になる。今回の上海モーターショーでは、メーカー間のEVプラットフォームの共用や既存車種のEV化など、価格競争に勝つための“現実解”の提案が目立った。