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「上海モーターショー2021」(一般公開:2021年4月24~28日)は電気自動車(EV)の発表で埋め尽くされた。トヨタ自動車はSUBARU(スバル)と共同開発した新型EVのコンセプト車を公開、22年に量産車を市場投入する。一方、EVで先行するドイツVolkswagen(フォルクスワーゲン)は「ID.」シリーズの第3弾を中国専用モデルとする。中国市場を中心にEVの競争が過熱している。

 トヨタ自動車は中型SUV(多目的スポーツ車)タイプの新型電気自動車(EV)のコンセプト車「TOYOTA bZ4X Concept」を公開した(図12)。SUBARU(スバル)と共同開発した車両だ。トヨタは同コンセプト車をベースとする量産車のグローバルでの販売を、22年半ばまでに開始する計画である。量産車の生産は、日本と中国で行う予定だ。

図1 トヨタが公開したコンセプトEVの内装
図1 トヨタが公開したコンセプトEVの内装
異形のステアリングホイールの上に、メータークラスターを配置した。ステアリングにはステア・バイ・ワイヤを採用する。(出所:トヨタ自動車)
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図2 トヨタのコンセプトEV「TOYOTA bZ4X Concept」
図2 トヨタのコンセプトEV「TOYOTA bZ4X Concept」
トヨタとスバルが共同開発した。トヨタは量産車を22年半ばまでに世界で販売する計画である。(出所:トヨタ自動車)
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 今回のコンセプト車をベースに開発する量産車は、トヨタの新しいEVシリーズ「同bZ」の第1弾となる。トヨタとスバルが共同開発したEV専用プラットフォーム(PF)「e-TNGA(Toyota New Global Architecture)」を適用した。専用PFの適用によって前後のオーバーハングを短く、ホイールベースを長くした。これにより、Cセグメント車でありながら、Dセグメントのセダンと同等の車内空間を確保できたという。

 スバルと共同開発した新たなAWD(全輪駆動)システムを搭載し、高い走破性などを実現した。航続距離を延ばすために回生エネルギーの活用に加えて、停車中も充電を行うほか、太陽電池パネルによる充電システム(ソーラー充電システム)を搭載した。

 トヨタは今回の展示会で、今後の電動化戦略も発表した。新しいEVシリーズ「bZ」については、中国や欧米などEVの需要が多く、再生可能エネルギーによる電力供給比率が高い地域に照準を合わせ、25年までに7車種を導入する計画である。

 ただ、世界の顧客ニーズに応じた様々な大きさや外観デザインのEVをトヨタ単独で提供するのは難しい。そこで今回のスバルのほかに、子会社のダイハツ工業や資本提携するスズキ、中国のEVメーカーであるBYD(比亜迪)とも共同開発を進める。

 さらに、電動車両のフルラインアップ化の一環として25年までに、bZシリーズの7車種を含む合計15車種のEVをグローバルで導入する。また、現在55車種注1)の電動車両を25年までに約70車種に増やす計画である。

注1)20年末時点の電動車両の内訳は、乗用車と商用車を合わせてハイブリッド車(HEV)が45車種、プラグインハイブリッド車(PHEV)が4車種、EVが4車種、燃料電池車(FCV)が2車種である。