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【部品】
米NI、輸送部門のターゲットは自動車
79GHzのレーダーを4GHzで試験

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 米NI(National Instruments)のChad Chesney氏は、同氏が率いるTransportation部門の新製品などを日本の報道機関向けに説明した。現在のTransportation部門の主なターゲットは、自動車だという。

 同氏は、車載レーダーのテストシステム(VRTS)の新製品を紹介した。79GHzのレーダーを4GHzの帯域幅でテストできる。同社の従来のVRTSは、測定の帯域幅が1GHzだった。帯域幅が広がったことで、測定の精度が向上した。帯域幅4GHz製品は、同1GHz製品と同様に、複数のNI製品/モジュールなどで構成する。例えば、ミリ波無線ユニットの「mmRH-5591」、可変遅延ジェネレーター「PXIe-5551」などを含む。

 79GHzレーダーを4GHzの帯域幅でテストできるシステムは他社にもあるが、日本ナショナルインスツルメンツによれば、カメラなど他のセンサーと組み合わせたテストが簡単に行えることが、NIのVRTSの強みだという。NIのVRTSは、NI製品/モジュールなどを組み合わせて構築されており、必要に応じて他のモジュールなどを簡単に追加でき、LabVIEWに代表されるグラフィカル環境で設定や結果の解析が行える。(小島郁太郎)

【経営】
GMといすゞ、精密機械部品工場を新設
米国のピックアップ市場が好調でエンジン増産

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 米GM(General Motors)といすゞ自動車は、両社の合弁会社であるDMAXを通じて、オハイオ州ブルックビルの新しい部品工場に1億7500万ドルを投資すると発表した。敷地面積が2万3300m2の新工場では、ディーゼルエンジン用の精密機械加工部品を生産する。すでに新工場の建設は始まっており、2020年末までに完成する予定。100人以上の新規雇用する見込み。

 米国では大型ピックアップトラック市場が引き続き好調だ。GMは2019年初頭に発売した新型「Chevrolet Silverado」と「GMC Sierra」の販売が好調で、6月にはミシガン州フリントのトラック組立工場に投資し、生産を拡大することを発表した。新工場で作られた部品は、オハイオ州モレーンの工場に送られ、SilveradoとSierra向けの排気量6.6LのV型8気筒ターボエンジン「Duramax」の生産に使われる。今回のブルックビル工場への投資も、SilveradoとSierraの生産を拡大する取り組みの一つといえる。

 DMAXはGMといすゞが60:40の割合で出資して1999年に設立されたディーゼルエンジン生産会社。2000年の工場稼働開始からこれまで、累計で約200万基を生産している。(櫛谷さえ子)

【EV】
VW、2020年に中国へ40億ユーロを投資
今後数年はエンジン車より電動車に多く投資

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 ドイツ・フォルクスワーゲン(Volks-wagen)は、中国のパートナー企業とともに2020年に40億ユーロ以上を中国市場に投資すると発表した。そのうち40%は、電気自動車(EV)の生産やインフラ整備、開発、研究など電動モビリティー分野に向ける。今後数年間は、エンジン車より電動車に多く投資するという。

 これにより中国での合弁会社である上海フォルクスワーゲン(上海大衆汽車)および一汽フォルクスワーゲン(一汽大衆汽車)が、電動車用プラットフォーム「MEB」をベースにしたモデルの生産を始め、VWグループの電動化戦略を加速する。今回の投資計画では、モデルラインアップの最適化、新しいモビリティーソリューションの開発、スマートシティや自動運転技術の発展など、同社の中国における他の目標にも向けられる。

 現在、中国の新車販売市場ではVWグループが19.5%のシェアを持つ。VWグループが提供する電動車は、2019年末までに14モデルに達する見込みだ。2020年の電動車生産能力は年間60万台となる。グループ全体では2025年までに30車種の現地生産の電動車を投入し、電動車の販売台数150万台を目指す。(櫛谷さえ子)