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【新型コロナウイルス】
人工呼吸器の増産で自動車メーカーなど異業種がタッグ
新型コロナ対策で米FDAが規制緩和で後押し

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 新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、人工呼吸器の需要が急増している。旭化成は子会社の米ゾールメディカル(ZOLL Medical)が人工呼吸器の生産数を現在の約25倍の月間1万台に増やすと発表した。異業種の自動車メーカーも人工呼吸器の製造支援を始めた。米GM(General Motors)は人工呼吸器を製造する米ベンテックライフシステムズ(Ventec Life Systems)に部品を供給すると発表した。

 米フォード(Ford Motor)も支援を開始する。人工呼吸器を製造販売する米GEヘルスケアと連携することを発表した。簡易化した人工呼吸器をフォードの拠点でも製造する可能性があるという。さらにフォードは米3Mと連携し、電動ファン付きの呼吸用保護具(PAPR)の製造にも着手する。PAPRは電動ファンで利用者に清浄な空気を送る顔全面を覆うマスク。新型コロナウイルス感染症患者を担当する医療従事者らの着用を想定している。

 人工呼吸器が不足する状況を踏まえ、米FDA(食品医薬品局)は、人工呼吸器関連の製造に関する規制を緩和するガイダンスを発表した。企業が既存の部品から変更して製品を製造したり、製造ラインを柔軟に追加したりできるようになった。(高橋厚妃)

【経営】
三菱自が国内販売体制を再編、西日本と中部を合併
“聖域なき"事業構造改革の一環、強固な収益基盤を構築へ

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 三菱自動車は、国内の販売体制を再編すると発表した。4月1日付で、西日本地域と中部地域をカバーする西日本三菱自動車販売(本社:大阪市)と中部三菱自動車販売(同:名古屋市)の2社を合併する。西日本三菱自動車販売が存続会社となる。

 さらに3月31日付で、北海道地域をカバーする北海道三菱自動車販売(同:札幌市)を、全国で中古車販売やレンタカー事業を手掛けるD&Dホールディングス(本社:東京・中央区)に売却する。D&Dホールディングスは、三菱自の販売子会社を手に入れることで今後、三菱自の北海道全域の販売業務を担うことになる。

 三菱自は2019年4月に、東日本地域(1都・8県)をカバーする販売子会社を設立している。今回の再編によって販売子会社は、東日本地域と西日本地域をカバーする2社体制となる。

 業績が急激に悪化している三菱自は、市場の縮小や為替変動といった外部環境に左右されにくい収益基盤を構築するため、事業構造改革を進めている。同社CEO(最高経営責任者)の加藤隆雄氏はこれまで、「製造や販売などで聖域なきコスト構造改革を断行する」としていた。今回の販売子会社の再編は、その具体策の一つである。(高田 隆)