【経営】
「カンバン方式の見直しを」、部工会・尾堂会長が警鐘
半導体不足の影響でデメリットが生じる
日本自動車部品工業会会長の尾堂真一氏(日本特殊陶業会長)は、昨今の半導体不足の影響が長引くことに対して「カンバン方式のデメリットが生じている」との見方を示して「見直す必要ある」との危機感を訴えた。カンバン方式は後工程の使用分を前工程に発注する仕組みで、在庫を抑えやすい。一方で発注単位は少なくなり、部品不足に対応しにくいとされる。
尾堂氏は半導体不足の一因として、自動車関連メーカーによる一度の発注量が少ないため、半導体メーカーの生産時期と合わなくなることを挙げた。さらに「他の部品でもカンバン方式のデメリットが出ている」とした。
新型コロナの影響で、東南アジアを中心に部品供給網(サプライチェーン)が寸断されていることに対しては「東南アジアに頼りすぎた感覚を持っている。1極集中からリスクを分散する形に移っていくだろう」と見通した。
トヨタ自動車が電気自動車(EV)の世界販売目標を2030年に350万台へと上方修正したことに対しては「驚きはない」と冷静に受け止めた。「電動化の方向性ははっきりしている。少し早くなってきた感はあるが、ターゲットをはっきり示してもらった方が対応できる」と前向きだった。(清水直茂)