【リコール】
テスラ、「Model 3」など複数モデルの5万台以上をリコール
「一時停止」無視、規則と現実にかい離か
米Tesla(テスラ)が販売する電気自動車(EV)の運転支援機能において、「一時停止」の交差点で完全に止まらない場合があるとして米国でリコールを実施することが分かった。交通規則上は完全停止が必要なところ、停止しない車両が多い交通流の実態を想定してテスラは機能を実装していたという。
米運輸省道路交通安全局(NHTSA)が明らかにした。リコール対象となる機能は、テスラが2020年10月に運転支援機能「FSD」のベータ版に導入した「rolling stop(ローリングストップ)」である。NHTSAによると、一定の条件を満たすと、車両が完全に停止することなく最大時速5.6マイル(約9km)で一時停止が必要な交差点に入る。
NHTSAは完全に停止しなければ「衝突の危険性が高まる」と指摘し、22年1月に協議した結果、テスラはローリングストップ機能を無効化するソフトウエア更新を実施すると決めた。2月初旬から対象車両に無効化するソフトウエア「2021.44.30.15」をOTA(Over The Air)で無償配信する。
リコールの対象車両は合計5万3822台で、一部の17~21年生産の「Model 3」、16~21年製「Model S」、16~21年製「Model X」、20~21年製「Model Y」である。(清水直茂)