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【カーボンニュートラル】
アウディ、V6ディーゼルを再生バイオ燃料対応に
気候変動戦略の一環、CO2排出量を70~95%低減

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 ドイツAudi(アウディ)は、同社のV型6気筒ディーゼルエンジンの多くを、再生可能燃料のHVO(水素化植物油)対応にしたと発表した。

 同社は気候変動に対応するため「Vorsprung 2030」戦略で、2026年以降に発売する新車をすべて電動車にする計画だが、ハイブリッド車などエンジンを搭載するクルマは2033年まで作り続ける。そこで既存のエンジンを様々な方法で改良し、CO2排出量を削減する必要がある。その方法の1つが、持続可能な植物由来の燃料(HVO)に対応したエンジン技術だ。

 HVOは、食品業界から出る廃棄油や、農業生産で発生する余剰の野菜などから使ったバイオ燃料。油を水素化処理することで脂肪族炭化水素に変換したものだ。化石燃料から得られたディーゼル燃料に混ぜることもできるし、100%HVOでも使えるという。

 HVO燃料は従来のディーゼル燃料と比べてCO2排出量を70~95%低減できる。さらにセタン価が約30%高いためエンジンでの燃焼性が向上する。これはコールドスタート時に特に顕著だという。欧州では600カ所以上のガソリンスタンドでHVOディーゼルが利用でき、環境規制が厳しい北欧で多く利用されている。(櫛谷 さえ子)