【情報セキュリティー】
トヨタが29万人分の個人情報漏洩の可能性
ソースコードがGitHub上で公開状態に
トヨタ自動車は2022年10月7日、テレマティクスサービス「T-Connect」の契約者29万6019人分の個人情報が漏洩した可能性があると発表した。同サービスのソースコードの一部が、ソースコード共有サービス「GitHub」上に誤って公開され、T-Connectのデータを格納するサーバーにアクセスできる状態になっていた。
漏洩した可能性があるのはメールアドレスと顧客管理番号である。現時点で不正利用は確認されていないという。氏名や電話番号、クレジットカードなどの情報については漏洩の可能性はなく、T-Connectサービス自体への影響もないとしている。
原因は、T-ConnectのWebサイトの開発を委託した企業が、データサーバーへのアクセスキーを含むソースコードを、誤って公開設定のままGitHubにアップロードしたこと。2017年12月から2022年9月15日までアップロードされていた。
当該ソースコードは非公開化し、データサーバーのアクセスキーを変更するなどの対応をしたという。
漏洩した可能性のある契約者にはメールで連絡した。漏洩の有無を確認する専用フォームやコールセンターも設置した。(国司理紗子)
【蓄電システム】
JERAとトヨタ、大容量スイープ蓄電装置の稼働を開始
EVの使用済み電池を再利用、異種電池も混合可
日本最大の発電事業者であるJERAとトヨタ自動車は、電動車の使用済み2次電池をリユースして、大容量のスイープ蓄電システムを構築した。JERA四日市火力発電所で、電力系統への接続を含めた運転を開始した。2020年代半ばには、系統用蓄電池として約10万kWhの電力量を供給できる蓄電システムの稼働を目指している。
車載電池は、種類が異なる電池が使われ、さらに使用済みとなった時点で1つ1つの電池の性能および容量には差がある。開発した蓄電装置は、こうした電池を使うために豊田中央研究所が開発したスイープ機能を搭載する。
スイープ機能とは、直列に繋いだ各電池の通電と非通電(バイパス)をマイクロ秒で切り替えることで、充放電量を任意に制御する機能である。これにより、電池の劣化状態を問わず異種電池を混合した状態でも容量を使い切ることが可能になるという。
スイープ機能を応用することで電池から交流を直接出力、または車載用インバーターをリユースすることでパワーコンディショナー(PCS)を省くことができる。これによりコストダウンができるほか、PCSによる電力損失を抑え、エネルギーの利用効率を高められるとしている。(櫛谷さえ子)