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 三菱自動車が2018年8月、SUV(多目的スポーツ車)「アウトランダーPHEV」を部分改良した。開発者に改良の狙いを聞いた。

電動パワートレーンの主要部品の9割を変えた。そこまでする必要性はあったのか。

 今回の改良では、当社のプラグインハイブリッド車(PHEV)が持つ強みを伸ばすことを意識した。基本的にEV(電気自動車)で走行し、電気が足りなくなるとエンジンで発電機を回し電気を生み出す。ただ、高速・高負荷領域では、モーターより効率が良いエンジンで駆動力を生み出す。

 基本はEV走行するクルマなので、発進から加速まで静かに走れる。最近では、ユーザーの声として「もっとEV走行を楽しみたい」との声が増えていた。欧州同様、日本のユーザーも同じ。

 そこで今回、電池や駆動用モーター、発電機、エンジンまで、PHEVの主要部品を更新し、より長くEV走行できるようにした。エンジン排気量を2.0Lから2.4Lに増やしたのも、EV走行強化と関係がある。EV走行しているときに発電のためにエンジンが稼働すると、静粛性が損なわれる。ユーザーは、エンジンがかかると分かってしまう。エンジン排気量を大きくすることで、より多くの電気を生み出すとともに、エンジン稼働時の音を抑えた。

 2モーターのシステムは、構造こそ異なるが、燃費ではトヨタ自動車のTHS IIにかなわない。三菱自動車は、走りや快適性でハイブリッドシステムを訴求していく。