11年ぶりの全面改良となった欧米フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)のSUV(多目的スポーツ車)「ジープ・ラングラー」。その進化点をエンジニアリング責任者に聞いた。

外観はキープコンセプトの印象が強い一方で、中身は大幅に刷新している。11年ぶりの全面改良で意識したことは。
まずはオフロード性能を進化させること。ラングラーで欠かせないポイントだ。同時に、オンロードでの走行性能も高めたかった。ラングラーは先代で初めて4ドアモデルの「Unlimited」が登場し、家族で乗る人が増えている。そのため、軽量化で燃費を改善したり、街乗りで快適に走れるようにしたりすることが重要だった。
こうした開発目標を達成するために、軽量化が特に重要だと考えた。ボディー構造を刷新し、90kgの軽量化を実現している。さらに、家族で乗ることを強く意識して、Unlimitedではホイールベースを先代から60mm延ばしている。このうち25mmを後席スペースの拡張に使った。残りの35mmは、これまで5速だったAT(自動変速機)を8速にする改善のために使った。