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 英ジャガーランドローバー(Jaguar Land Rover)が、ジャガー(Jaguar)ブランド初となる量産EV(電気自動車)「I-PACE」を2018年9月末に日本で発表した。同年秋のパリショーに向けて、ドイツ・ダイムラー(Daimler)が「EQC」(2019年発売予定)、同アウディ(Audi)が「e-tron」(2018年末に欧州で発売)と、ドイツ勢を中心とした欧州メーカーが相次いで量産EVを発表する中、ジャガーランドローバーが量産EVの導入で先陣を切った。

Al合金製軽量ボディーのSUV

 量産予定のEVの多くがSUV(多目的スポーツ車)を採用するのは、床下に電池を納めやすいからだ。他にも、最初のEVを売れ筋のSUVにすることで、商品性の高さを打ち出そうとの意向も感じられる(図1)。

図1 Jaguar初のEV「I-PACE」
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図1 Jaguar初のEV「I-PACE」
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図1 Jaguar初のEV「I-PACE」
日本で2018年9月下旬に発表した。I-PACEの日本市場での車両本体価格(税込み)は「S」の959万円から「HSE」の1162万円まで。Jaguar Land Roverは2020年までに全モデルに電動化のオプションを設定。Waymoに計2万台のI-PACEを供給、2020年には自動運転配車サービスの開始を予定する。空力性能に配慮した装備として、フロントバンパー開口部には“アクティブベーン”と呼ばれる開閉式フラップが用意され、蓄電池の冷却などが必要な場合のみ開き、通常は閉じた状態で良好なエアロダイナミクスを得ている。Cd値は0.29とされる。

 車両寸法は全長4682×全幅2011×全高1565mm。JaguarのSUVである 「E-PACE」「F-PACE」と比べて、全長をE-PACEより272mm長く、F-PACEより58mm短くした。全幅はそれぞれ111mm、76mm増えて、全高は85mm、100mm低くなるなど、印象通りのワイド&ローな外観とした。

 I-PACEのホイールベースは2990mm。Eの2680mm、Fの2875mmよりも長い。ボディーの前後端を切りつめ、タイヤを四隅に配置することで、運動性能の向上とともに室内空間を広く設計した。外観はスタイリング重視のクロスオーバーだが、あえてJaguarがそう呼ばないのは、このEVが後述するようにSUVとしてのオフロード走行の性能を獲得しているからだ。

 アルミニウム(Al)合金製ボディーの設計は同社が得意とするところ(図2)。ボディー前後にAl合金製サブフレームを配置し、その間のフロア部分に電池を置いた。モーターの搭載位置を下げ、低重心かつ前後質量配分を50:50に設定した。ボディーの94%をAl合金製としたEVアーキテクチャーと呼ばれる車体構造は、ねじり剛性がJaguarブランドで最も高い3万6000N・m/度を獲得しており、高い走行性能の高さが期待される。

図2 I-PACEのAl合金製ホワイトボディー
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図2 I-PACEのAl合金製ホワイトボディー
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図2 I-PACEのAl合金製ホワイトボディー
(a)フロントビュー、(b)リアビュー。ボディーの94%にAl合金を使う。生産はオーストリアMagna SteyrとJaguar Land Roverが担当する。Jaguar Land Roverの他の車種と同様、Al合金を多用する。