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 クルマの軽量化がグローバルで進んでいる。日系自動車メーカーは高張力鋼板を重視するのに対して、欧州は樹脂の採用が進む。一方の米国は、アルミニウム(Al)合金の採用に注力する。今回は、内装材からエンジン周りまで、多くの樹脂部品を手がけるダイキョーニシカワの取り組みに迫った。

広く樹脂部品を供給

 広島県を本拠地とする樹脂部品メーカーのダイキョーニシカワ(図1)。同社の特徴は、開発・設計から材料選択まで幅広く自動車メーカーに提案しながら製品化を推し進めることにある。売上高の70%以上はマツダ向けが占め、ダイハツ工業が続く。同社はマツダ向けに内外装の樹脂部品の多くを手がける注1)図2)。ダイハツ向けには、同社と共同出資で樹脂部品製造のエイエフティー(AFT)を設立している。

図1 ダイキョーニシカワ本社の展示スペース
図1 ダイキョーニシカワ本社の展示スペース
広島県安芸郡の本社展示スペースの製品群。同社は広島を本拠地とするマツダを中心にダイハツ工業など、日本メーカーへ樹脂製品を一次サプライヤーとして供給する。設立は2007年。過去に遡れば、1953年に設立された大協(後のジー・ピー・ダイキョー)は起業当初は幌の製作、その後はフロアマットなどの不織布の成形品やプラスチック成形品を手がけてきた。対して1961年に設立された西川化成は、ウレタン製品を中心に、クラッシュパッドを含む表皮を含めたインストルメントパネルなどの樹脂成形の内装部品、ウェザーストリップなどのゴム成形品(西川ゴム)のメーカーだった。1988年にマツダ資本となるバンパーなどの大型樹脂製品を扱うマツダ化成が加わって、最終的にジー・ピー・ダイキョーと西川化成が合併することで、樹脂製品全般を扱うダイキョーニシカワが生まれた。
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図2 マツダ「CX-5」のグリルは“バイオエンプラ”製
図2 マツダ「CX-5」のグリルは“バイオエンプラ”製
マツダが“バイオエンジニアリングプラスチック”と呼ぶ樹脂素材をグリルに採用した。マツダと三菱化成が共同開発、ダイキョーニシカワが難易度の高い成形要件をクリアして生産を手がける。大型の外装部品でのバイオエンプラは初採用。
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注1)マツダは、ダイキョーニシカワのような設計開発から生産まで関わる一次サプライヤーを“フルサービスサプライヤー(FSS)”と呼ぶ。