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 ドイツVolkswagen(フォルクスワーゲン、VW)が量産する電気自動車(EV)「ID.3」の分解レポートの第2回は、電池の後編である。前回は、車体から取り外した電池パックについて報告した。今回は電池の分解を進め、電池セルの特徴を明らかにしていく。さらに、電池パックの筐体(きょうたい)構造及びその材料を調査した。(狩集浩志=日経BP総合研究所、斉藤壮司=日経クロステック/日経ものづくり)

 「板チョコのような電池セルが入ってるよ」─。ID.3の分解プロジェクトは、電池パックを解体後、電池モジュール内部の調査に入った。電池パック自体の解体は驚くほど順調に進んだ。

 これまで分解してきた日産自動車の「リーフ」や米Tesla(テスラ)の「モデルS」「モデル3」のように電池パックに接着されたフタをバールではぎ取るようなこともせず、ボルトやコネクターを外していくだけで、9個ある電池モジュールを取り出せた(図1)。

図1 「ID.3」の電池パックの内部
図1 「ID.3」の電池パックの内部
9個の電池モジュールのほか、DC-DCジャンクションや電池管理システムなどを搭載していた。(撮影:日経クロステック)
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 しかも、水冷方式であるものの電池モジュールには冷却水が通り抜ける仕組みになっておらず、冷却水を気にせずに電池モジュールの脱着が可能である。ID.3の電池パックは、底面外側の1面からのみで電池モジュールを冷やす構造を採る。

 これで電池セルを冷却できるのかとやや疑問に思うのだが、電池パックや電池モジュールは非常にリサイクルしやすい設計になっていることが分かった。電池モジュールはクルマとしての利用を終えた後もモジュールとして再利用することを想定しているものとみられる。