全2769文字
PR

 ドイツVolkswagen(フォルクスワーゲン、VW)の電気自動車(EV)「ID.3」の分解レポートの第3回は、電動アクスルである。電動アクスルは駆動モーターとインバーター、減速機(ギアボックス)を一体化した、EVの中核部品の1つだ。ID.3は、後輪駆動であるため、電動アクスルは車両後部にあった。

 電動アクスルを車体から取り外してみると、現れたのは上部にインバーター、下部にモーターと減速機を搭載した2階建ての構造体だった(図1)。無駄な部分はほとんどなく組み上がっており、非常にコンパクトな印象だ。

図1 車両を床下から見た様子
図1 車両を床下から見た様子
モーターとインバーター、減速機を一体化した電動アクスルが、車両後方に搭載されていた。(写真:日経クロステック)
[画像のクリックで拡大表示]

 電動アクスルの温度を管理する冷却水の出入り口は、インバーター部に1カ所、モーター部に1カ所ある。分解して分かったが、インバーターとモーターの間に冷却水の接続点があり、1系統で電動アクスル全体を冷やしていた。なお、モーターはステーター(固定子)の外側のケースに水が、インバーターは内部にあるアルミニウム(Al)合金製の冷却モジュールに水が流れるようになっている。

 電気接続は、インバーターからモーター側に向かってバスバーが3本伸びており、モーターのコイルの接点とボルトで固定されていた(図2)。最短距離で結ばれ、非常にシンプルな設計である。ちなみに米Tesla(テスラ)のEV「モデル3」は、インバーターと減速機、モーターが1列に並ぶ構造である。同構造ではインバーターとモーターの間に減速機を挟むため、ここを越えるための距離が必要で長めのケーブルで結ばれていた。

図2 インバーターとモーターの電気接続点
図2 インバーターとモーターの電気接続点
インバーターからのバスバーをボルトでモーターに締結している。(写真:日経クロステック)
[画像のクリックで拡大表示]