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 トヨタ自動車の燃料電池車(FCV)「MIRAI(ミライ)」の分解レポートの第6回は、電動パワートレーンを調査した。初代ミライのシステムからコスト半減を達成した秘訣は、ハイブリッド車(HEV)との部品共用である。量産効果によってコスト競争力に優れるHEV部品を流用できるようにするため、トヨタはSiC(炭化ケイ素)のパワー半導体を搭載した部品を採用した。

 「量産性の高い部品を使うのがコスト低減に効くことは確認済みなので、HEVで使っている部品を採用した」─。

 新型ミライの開発責任者であるトヨタMid-size Vehicle Company MS製品企画ZFチーフエンジニア(当時)の田中義和氏が日経クロステックの取材に対して語った言葉を裏付けるように、分解で出てきた同車の駆動システムはHEVからの流用品だらけだった。

 リチウムイオン電池パックは5代目「レクサスLS」と同じもの(図1)。駆動用モーターや、HEVのエネルギーマネジメントの中核をなすパワー・コントロール・ユニット(PCU)も、他の車種からの流用品であることを公言している。車種は明言していないが、モーターの諸元や、電力系統の構成などから5代目レクサスLSなどのシステムをそのまま流用していると日経クロステックでは推測している。

図1 新型ミライの高電圧系
図1 新型ミライの高電圧系
リチウムイオン電池パックや駆動用モーター、PCUなど、HEVのシステムを流用している。(撮影:加藤 康)
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