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アイシン・エィ・ダブリュ(アイシンAW)との2021年4月の合併を発表したアイシン精機。これまでの独立独歩の分社経営から、グループ一丸となって同じ方向を目指すグループ経営へと大きく舵を切る。その狙いとは何か─。社長の伊勢清貴氏に聞いた。(聞き手=富岡恒憲)

アイシングループはグループ経営に舵を切ろうとしている。その狙いは何か。

 CASE(コネクテッド、自動運転、サービス、電動化)に対応する企業構造への変革、および高い収益力を持つ企業体質への変革を急ぐためだ。CASEは投資がかさむ。グループとして競争力のあるものに集中し、かつ重複部分を減らし固定費を削減することが必要だ。

 例えば、(先端技術の研究・開発を手掛ける会社)IMRAは米国、欧州、日本に研究・開発拠点がある。そこにはアイシン精機直下とアイシンAW直下の部門があり、しかも各地域が自分たちで研究・開発テーマを決めていた。テーマの偏りや重複を無くし、競争力のある分野に集中する。

 今だと、いわゆるオープンイノベーションで、外の知恵を使ったほうがいいという研究開発分野もある。そういう分野では、自前でやる分を減らして外部に振り分ける。そのようにして、スピード感というか、いい意味での競争を促すことも考えている。

 イノベーションと言うと、とんでもない新しい技術の誕生を思い浮かべがちだが、今まであった技術を組み合わせて新しいものを生み出すこともイノベーションだ。アイシングループの中には技術がある。互いのものを互いが利用し、本当に一体化したことをやっていきたい。

 事業環境の悪化もグループ経営への転換を急ぐ理由の1つだ。日米欧、中国、東南アジア、インドなど、従来は良い市場がどこかにあった。だが、現在はどこも悪い。パイは増えないので、競争力が問われる。競争力がある部品に経営資源を集中させ、統合で無駄な部分を省いて必死にやる。CASE部品の先行開発に力を入れる。