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撮影:日経Automotive
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世界有数のピストンメーカーであるドイツMAHLE(マーレ)。自動車の内燃機関向け部品を主力とする同社にも、電動化の波が押し寄せる。エンジンを取り巻く環境が厳しさを増す中で、どう生き残るのか。マーレジャパンの坂野慎哉氏に話を聞いた。

欧州の自動車メーカーを中心に、電気自動車(EV)へのシフトを鮮明にする動きが目立つ。だが、いきなりエンジンがなくなるわけではないだろう。MAHLEはパワートレーン市場をどう見通しているか。

 エンジン部品を主力事業とする当社にとって、パワートレーンの推移は1番重要なトレンドだ。自動車メーカー各社との対話や各国の規制動向などを加味してシナリオを設定している。当社の見立てでは、2030年時点で純粋な内燃機関車が世界全体の60%以上を占める。この数字はハイブリッド車(HEV)を含んでおらず、エンジンを搭載する車両の台数はさらに大きくなるだろう。

 ただし、内燃機関車の比率は地域ごとに大きく変わる。電動化を進める最大のモチベーションは、環境規制の罰金だ。特に厳しいのが欧州で、罰金を回避するためにドイツの自動車メーカーはEVシフトに躍起になっている注)。積極的にEVにシフトするというよりは、やらざるを得ないということだろう。

注)欧州は20年から二酸化炭素(CO2)排出量を企業平均で95g/km以下(車両質量によって変動)にする規制を導入した。1g/km超過すると95ユーロ(1ユーロ=130円換算で1万2350円)/台と多額の罰金がかかる。

 日本はまだ、二酸化炭素(CO2)排出量の削減に対する罰金制度はない。この違いが、日本と欧州の差だとみている。米国も日本と同様に罰金の制度はないが、議論が進み始めたら早い。当社としても、CO2排出量に対する規制動向は注視していかなければならない。