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車載モーターなどに使う半導体の安定調達や内製化に向けて、日本電産が2022年5月に立ち上げた「半導体ソリューションセンター」。同センターの所長を務めるのが、同社常務執行役員の大村隆司氏だ。ルネサスエレクトロニクスやソニーグループなどで半導体事業を手掛けてきた同氏。2030年に売上高10兆円という目標の達成を左右する戦略の中身を聞いた。(聞き手=久米秀尚、木村雅秀)

写真:加藤 康
写真:加藤 康

2022年2月、ソニーグループから日本電産に移籍した。

 ただ永守重信会長からラブコールが来たから入社したわけではない。危機感、そして仮説を持って日本電産に来ている。

 私の心配は、日本が世界から取り残されていることだ。このままでは日本がどんどん弱っていく。(ソニーグループの前に所属していた)ルネサス時代は、家電や携帯電話機など民生機器の業界が中国をはじめとする海外勢に負ける姿を見てきた。次は自動車だ。真摯に向き合わないと、グローバルで勝ち残れなくなる。

 企業に所属しているので当然、日本電産のことを一番に考える。だが、日本のことを思うと、自動車業界のトレンドを理解して、特に中国の動きをひもときながら次の打ち手を考えないときっと負ける。

 では、自動車業界や中国の動向を得られる場所はどこか。私は、日本電産がそういう情報を得られる唯一の会社だと考えて入社を決めた。実際、情報は入るし、スピード感もある。他社の2倍以上は速い。