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2019年3月に開催された「ジュネーブモーターショー」では、電気自動車(EV)をはじめとする電動車が相次いだ。ただ、各社の発表内容からはEVが抱える“コストの壁”が見て取れる。EV専用プラットフォームを外販して生産規模を拡大する動きや、航続距離を犠牲に電池容量を削る動きなど、コスト削減に関する発表が目立った。

 電気自動車(EV)のコストを、生産規模の拡大によって解決しようとしているのが、ドイツ・フォルクスワーゲン(Volkswagen、VW)である。プレスデー前日に開催した「Volkswagen Group Night」で同社のEV専用プラットフォーム「Modular Electric Toolkit(MEB)」を外販すると発表した。これまではMEBをグループ内で横展開する計画だったが、それだけでは足りず、他社にも外販することで生産規模を増やす。規模の論理で部品コストや生産コストを低減する。

 ドイツ・イーゴーモバイル(e.GO Mobile)が、MEBを利用する最初の外部パートナーになる。具体的な車両プロジェクトがすでに計画されているという。e.GO Mobileはドイツ・アーヘン工科大学発のEVベンチャーで、短距離移動向けの低コストEVを手掛ける。e.GO MobileのCEO(最高経営責任者)であるギュンター・シュー(Gunther Schuh)氏は、「MEBによってコスト効率の高いEVを早く市場に出せるようになる」と述べた。

 VWのCEOであるヘルベルト・ディース(Herbert Diess)氏は「MEBをeモビリティーの業界標準にしたい」と意気込む。VWは今回、小型サンドバギーのEVコンセプト「ID. BUGGY」を公開したが、このような小型車を含む幅広い車種にMEBを利用できる点を強調した(図1注1)

図1 VWのEVコンセプト「ID. BUGGY」
図1 VWのEVコンセプト「ID. BUGGY」
VWはEV専用プラットフォーム「Modular Electric Toolkit(MEB)」を外販する。(撮影:編集部)
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注1)VWグループでは、MEBベースのEVを2028年までに2200万台規模まで増やす。また、VWは2023年までに電動化やデジタル化、モビリティーサービス、自動運転に約440億ユーロを投資する計画で、そのうち約300億ユーロは電動化(eモビリティー)に充てる。2025年までにVWの全車種の1/4をEVにする計画である。