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英調査会社のJATO Dynamics(JATOダイナミクス)は2020年10月、欧州で20年1~8月に販売された新車の平均二酸化炭素(CO2)排出量を発表した。上半期(1~6月)は118.5g/kmだったが、電動車の販売が拡大したことで1~8月の平均は大幅に下がり、102.2g/kmになった(図1)。2020年の規制目標値の95.7g/kmまであと6.5g/kmだ。

図1 欧州で販売された乗用車の年間平均CO<sub>2</sub>排出量の推移
図1 欧州で販売された乗用車の年間平均CO2排出量の推移
欧州では電動車の販売拡大により、20年1~8月の平均CO2排出量が102.2g/kmに下がった。(出所:JATO Dynamics)
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 新型コロナウイルス感染症の拡大により欧州新車市場の2020年1~9月の登録台数は前年同期比29%減となっている。その中で電動車は前年同期比67%増の約154万台となった。電動車の市場シェアは2019年同期の7.8%から18.1%まで拡大した。エンジン車の需要減と電動車の拡大が平均二酸化炭素(CO2)排出量を下げる要因となった。

 自動車メーカーでは、スウェーデンVolvo(ボルボ)を擁する吉利グループが最も低いCO2排出量となった(図2)。吉利グループの2020年のCO2排出量目標は110.3g/kmだが、1~8月の平均が103.1g/kmとなり、唯一目標を達したメーカーとなった。吉利グループには、Volvoだけでなく「Polestar」や「LEVC(London Electric Vehicle Company)」などがあり、それぞれ電動車を多く揃えている。

図2 吉利グループの電動車比率と2020年の平均CO<sub>2</sub>排出量
図2 吉利グループの電動車比率と2020年の平均CO2排出量
スウェーデンVolvo(ボルボ)を傘下に抱える吉利グループは電動車比率が高く、平均CO2排出量も低い。(出所:JATO Dynamics)
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 次はドイツBMWで、1~8月の平均が103.5g/kmとなり、目標の102.9g/kmにわずか0.54g/kmまで近づいた。このまま20年末まで平均値が変わらなくても、ペナルティーは最小限で済む。目標を達成するには、CO2排出量が比較的少ないディーゼルエンジン車と電動車のシェアを増やす戦略が必要だ。