2019年が明けた。自動運転や電動化、MaaS(Mobility as a Service)など、いわゆる“CASE”の大波が押し寄せる。グローバルでは他社との提携関係をどう維持・発展させるかが問われる。大手自動車メーカーから中小メーカーまで、各社は顧客に何を訴求し、どこで勝負をしていくのか。日系自動車メーカーの技術トップ6人に展望を聞いた。

自動車メーカー技術トップが語る
目次
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次世代技術開発、3つの視点
Part1 押し寄せるCASEの大波
次世代の技術/製品を開発する技術トップに話を聞いた。6人の幹部取材から見えたのは、顧客の変化、規模の追求、ブランド価値向上である。中小規模のメーカーは規模拡大、大手は提携関係維持や先行開発に躍起だ。産業構造の大転換が、待ったなしに自動車メーカーに襲い掛かる。
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トヨタ自動車役員:「イーパレット=MaaS」ではない
Part2 わが社の中長期戦略
乗用車が主役に映るトヨタで、商用車を手掛けるCVカンパニーの印象は薄い。だがトヨタが「モビリティーカンパニー」へと脱皮する上で、主役に立つ潜在力を秘める。MaaSでは、法人用途の商用車がカギを握るからだ。CVカンパニーを率いる執行役員の小木曽聡氏に、商用車とモビリティーサービスの見通しを聞いた。
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ダイハツ工業役員:スズキには絶対に負けられない
Part2 わが社の中長期戦略
2016年にトヨタ自動車の完全子会社となったダイハツ工業。軽自動車で培った良品廉価の技術を強みに、トヨタグループで新興国向けの小型車開発を一手に引き受ける。すでにインドネシアやマレーシアでは高いシェアを誇るが、今後はタイなどにも対象地域を広げる。一方、成長が著しいインド市場では、トヨタと提携関係に…
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日産自動車役員:Googleと提携し早さを追求
Part2 わが社の中長期戦略
仏ルノー(Renault)や三菱自動車との相乗効果拡大を目指す日産自動車。一方、車載情報システムにおける米グーグル(Google)との技術提携や、自動運転技術の高度化など、次世代に向けた独自の取り組みも加速する。専務執行役員(アライアンスSVP、製品開発担当)の中畔邦雄氏に聞いた。
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三菱自動車役員:世界2位の規模のメリット生かす
Part2 わが社の中長期戦略
三菱自動車はカルロス・ゴーン氏の会長および代表取締役の職を解く一方、フランス・ルノー(Renault)、日産自動車との3社連合(アライアンス)は維持する。2016年、燃費不正などの不祥事から経営危機に陥った三菱自は、日産からの出資を受け、アライアンスを通じて経営再建に取り組んできた。その最中に起き…
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スズキ役員:インド市場でシェア50%を死守
Part2 わが社の中長期戦略
スズキにとってインド市場は、今後の成長をけん引する生命線である。2030年には500万台の生産・販売体制を整え、シェア(市場占有率)50%を死守する。次世代技術の分野では、インドの現地法人が主導して電気自動車(EV)の開発を加速させている。中長期の戦略を聞いた。
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マツダ役員:新ラージPFの投入で価格幅を拡大
Part2 わが社の中長期戦略
マツダにとって2019年は勝負の年だ。「スカイアクティブ」技術の第2世代を実用化する。まずは春に投入する「アクセラ」で、「スモール」と呼ぶプラットフォーム(PF)を採用し、パワートレーンを刷新。その後、大型車用の「ラージ」と呼ぶ新PFの投入が控える。