電気自動車(EV)は内燃機関をモーターに置き換えるだけのクルマではない。斬新なプロポーション、広い車室、高い応答性・分解能の運動制御に基づく優れた安定性や乗り心地―など、設計次第でこれまで以上に魅力的なクルマを造れる。課題とされる航続距離の延長も進み、ディーゼル車並みの価格を実現すると公言するメーカーも現れた。現実になれば普及は一気に加速する可能性がある。環境規制の強化を背景に多くの自動車メーカーが続々と市場投入に動く。競争激化は必至。EVの差異化がカギを握る。

特集
EV激戦時代、開発の処方箋
目次
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規模拡大で開発は総力戦に
Part1 待ったなしEVの差異化
電気自動車(EV)の普及に向け、開発は企業の垣根を乗り越えた総力戦の様相を呈してきた。その筆頭がドイツ・フォルクスワーゲン(Volkswagen、VW)。EV専用プラットフォームを開発し、グループ全体で共用することで大幅な低コスト化を狙う。
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広い車室と運動制御に先進性
Part2 実車に学ぶ
中国・欧州市場を中心に競争が激しさを増す電気自動車(EV)―。消費者に受け入れてもらうには、低コスト化に加えて「我慢させない」ことと、「新時代のクルマとしての魅力」が重要になる。
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進む一体化と電子基盤の刷新
Part3 部品・要素技術に新潮流
EV激戦時代に向けて、部品メーカーもEV向けの部品・要素技術の開発を加速させている。中でもとりわけ力が入っているのが、電動パワートレーンと運動制御の領域だ。