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EV激戦時代に向けて、部品メーカーもEV向けの部品・要素技術の開発を加速させている。中でもとりわけ力が入っているのが、電動パワートレーンと運動制御の領域だ。電動パワートレーンでは一体化による小型・軽量・高効率・低コスト化を進め、運動制御の領域では車載電子基盤の構造の見直しに着手している。

 クルマが電気自動車(EV)になることで、大きく変わるのはパワートレーン。その電動化で大きな恩恵を受けるのが、運動制御だ。本記事では、その両者に絞ってEVの差異化に向けた部品メーカーの取り組みをみていく。

一体化進む電動アクスル

 「電動アクスルは一体化の方向に動いている」。今回の取材で多くの専門家から出てきた言葉だ。電動アクスルとは、モーターやインバーター(モーター駆動回路含む)、ギアボックス〔減速機と差動歯車装置(デフ)〕から成る電動駆動システム。ドイツ・ボッシュ(Bosch)、同コンチネンタル(Continental)、同ZF、米ボルグワーナー(BorgWarner)、アイシン・エィ・ダブリュ(アイシンAW)、日本電産、フランス・ヴァレオ(Valeo)などがその一体化に積極的だ(図1)。

図1 一体化進む電動アクスル(平行軸型)の例
図1 一体化進む電動アクスル(平行軸型)の例
モーター、ギアボックス、インバーターから成る電動アクスルでは一体化が大きな流れになりつつある。これらは、モーターの軸と車軸につなげる軸を平行にずらして配置した平行軸型の例。(写真:Bosch、Continental、ZF、Valeo Siemens eAutomotive、アイシンAW、日本電産)
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