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自動ブレーキ用センサーの性能争いで異変が起こった。日本勢が上位に入り、巨人イスラエル・モービルアイ(Mobileye)が順位を落とした。モービルアイの画像処理チップ「EyeQ3」は万能ではない。自動運転時代に向けて、センサーの主導権争いが激しくなってきた。

 夜間の歩行者を対象にした自動ブレーキ試験で、イスラエル・モービルアイ(Mobileye)の牙城が崩れた。同社の画像処理チップ「EyeQ3」を使う単眼カメラは、昼間の歩行者を対象にした試験では圧倒的な強さを見せていた。これに対して夜間の歩行者を対象にした最新の試験では、トヨタ自動車やホンダ、スズキなどのEyeQ3を使わないカメラの結果が、EyeQ3を使うカメラを上回った(図1)。

図1 夜間歩行者を対象にした自動ブレーキ試験
図1 夜間歩行者を対象にした自動ブレーキ試験
日本自動車研究所(JARI)の城里テストセンター(茨城県城里町)で2018年11月に行われたデモのようす。編集部が撮影。
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 国土交通省と自動車事故対策機構(NASVA)が行った「自動車アセスメント(JNCAP)」の予防安全性能の試験結果によると、夜間の歩行者を対象にした2018年度の自動ブレーキ試験で、トヨタのハッチバック車「カローラスポーツ」とホンダの中型セダン「インサイト」、同社の軽ワゴン「N-VAN」の3車種が最高点を獲得して1位に並んだ(図2)。

図2 インサイトの試験のようす
図2 インサイトの試験のようす
対向車がある場合でも60km/hまでの全ての車速で、ダミー人形との衝突を回避した。(出所:NASVA)
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 これらに続くのは、スズキの背高ワゴンタイプの小型車「ソリオ」などである。1位から6位までの車種はいずれも、MobileyeのEyeQ3を使わないカメラを搭載する。EyeQ3を使うカメラを搭載する車種で最高位はマツダの中型SUV「CX-5」で、7位にとどまった(図3)。

図3 最新の夜間試験の結果(2018年度)
図3 最新の夜間試験の結果(2018年度)
モービルアイの「EyeQ3」を搭載しないカメラを使うシステムが1位となった。4位のステレオカメラもEyeQ3を使わない。2019年2月末までのNASVAの発表データを基に編集部が作成(網かけ部分はEyeQ3搭載システム)。
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