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旧型車に後付けできる予防安全システムでも夜間の歩行者対応が始まる。同システムで先行するモービルアイ(Mobileye)は、数年以内に対応製品を発売する。夜間歩行者に対応するため、画像処理チップに最新版の「EyeQ4」を搭載する。ただ、最新チップのコストをどこまで下げられるかが普及のカギになる。

 交通事故を減らすため自動車メーカー各社は、新型車に搭載する自動ブレーキの夜間歩行者対応を加速させている。ただし、既に販売した1世代以上前の旧型車は、新型車向けのシステムを搭載できない。そのため、旧型車向けの後付けシステムも対応が必要になる。

 タクシー会社やバス会社、物流会社などの業務用車両は、新車の購入から20年近く使う場合が多い。すぐに自動ブレーキを搭載した新型車に切り替えるのは難しい。また、これらの事業者は、自社の車両が重大な事故を起こすと、業績に悪影響を与えるなど経済的な損失が大きい。パーソナルユースの旧型の乗用車よりも対応が急がれる。

 後付けの予防安全システムで先行するイスラエル・モービルアイ(Mobileye)は、単眼カメラだけを使う旧型車向けの「衝突警報システム」と「右左折の巻き込み警報システム」を夜間の歩行者や自転車、二輪車に対応させる。数年以内に、同システムを製品化する計画である。ただ、コストをどこまで下げられるかが普及の課題だ(図1)。

図1 衝突警報システムで使う単眼カメラと表示器
図1 衝突警報システムで使う単眼カメラと表示器
Mobileyeは、数年以内に夜間歩行者に対応させる。(出所:ジャパン21)
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 これらのシステムを夜間の歩行者や自転車などに対応させるため同社は、単眼カメラの画像処理チップに最新版の「EyeQ4」を採用する。現行システムは2世代前のチップ「EyeQ2」を使っているため、昼間の車両や歩行者などにしか対応できなかった。

 Mobileyeの画像処理チップの現行品は「EyeQ3」である。世界の多くの自動車メーカーが、自動ブレーキ用のカメラに採用している。EyeQ3の処理速度は0.25TOPS(1秒当たりの処理回数は2500億回)。EyeQ2に比べると処理速度は約10倍と速い。

 ただしPart1で述べたように、EyeQ3には限界がある。Mobileyeの後付けシステムを日本で販売するジャパン・トゥエンティワン(ジャパン21)で取締役COO(最高業務執行責任者)の岸本賢和氏は、「夜間の歩行者や自転車、二輪車などに対応するには、EyeQ4を使う必要がある」と話す。