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2020年には100GWhへ

 CATLの2018年の年間生産量は21.31GWhに上った(図2)。同社幹部によると、「2019年の生産量は50GWhを見込んでおり、2020年にはさらに倍(の100GWh)まで増やす」という。1回の充電で420kmを走行できるとするドイツ・フォルクスワーゲン(VW)の新型EV「ID.3」で換算すると、1台当たり58kWhの電池を積むため、100GWhでEV約172万台分となる。

図2 右肩上がりで生産量を拡大
図2 右肩上がりで生産量を拡大
CATLの電池生産量の推移を示した。同社は2020年に100GWhの大台に到達する計画を立てる。CATLの発表を基に日経Automotiveが作成。
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 2021年には、CATLにとって初となる中国以外での電池生産を始める。ドイツ・テューリンゲン州エアフルト(Erfurt)で電池工場を建設中だ。生産能力は当初13GWhを予定していたが、「想定以上に引き合いがあり、(2022年ごろには)50GWhの生産量を見込んでいる」(CATLの幹部)という。

 CATLの生産能力増強に、世界の自動車メーカーが群がる。欧州の自動車メーカーでは、VWやドイツBMW、同ダイムラー(Daimler)、スウェーデン・ボルボ(Volvo)、フランス・グループPSA(Groupe PSA)、同ルノー(Renault)などが取引を決めた(図3)。CATLが選ばれる理由の1つが、VWが中心になってドイツ自動車工業会(VDA)が策定した規格に準拠した電池セルを用意していること。VDA規格を前提としたEVを開発する欧州メーカーを強く意識して、CATLは“使いやすい”電池に絞って大量生産する。

図3 世界の自動車メーカーが群がる
図3 世界の自動車メーカーが群がる
電池供給でCATLと関係のある企業を整理した。(画像:CATL)
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 中国メーカーでは、上海汽車や北汽新能源、吉利汽車、東風汽車、広州汽車などに加えて、新興のEVスタートアップもCATLの電池を使う。日本勢では、2018年に日産自動車が中国市場向けのEVで採用し、ホンダも供給契約を結んだ。

 2017年に日経Automotiveがホンダ役員にCATLの電池を採用する可能性を聞いたときは、「品質面が不安でまだまだ採用できるレベルにはない。安全性を確保する周辺部品を追加したら、日韓メーカーの電池よりも高コストになってしまう」と一蹴していた。品質面で大幅な改善があったのだろう。トヨタの電池技術者も「当社の社内基準を満たせるようになった」と実力を認めた。