ホンダが2019年7月に開催した技術説明会。自動車開発を揺るがす「CASE」に対する方針がいよいよ見えてきた。中堅規模のメーカーにも関わらず、全方位に映る開発志向だったホンダ。「選択と集中」を進めて、独自性を打ち出せる領域で勝負する。何を捨てて、何を残すのか。“ホンダらしさ”を失わないのか。再スタートを切るホンダの決断を読み解く。

特集
ホンダ、不退転の決意
目次
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EV、自動運転、MaaSの方針固まる
Part1 自前と協調の線引き
ホンダが開発と生産で、選択と集中を進める。自前と協調の領域を分けながら、浮いた開発工数や利益を出遅れている電気自動車(EV)や自動運転、MaaSの開発に振り向ける。
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2モーターに集約、低コスト版追加
Part2 3モーター式開発中止
3種類あったハイブリッド車(HEV)技術を1種類に減らす。併せて、残した2モーター式に、コストを削減した小型車版を追加する。現行の中型車用に比べて、大幅に軽くしたものだ。
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航続距離500km超の中型車投入
Part3 EVの“現実解”
ホンダが、エンジン車並みの航続距離に達する電気自動車(EV)を開発する。EVは近距離用途のニッチな車両と位置付けていた考えを転換。欧州の環境規制や中国のEV推進政策を考慮した。
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システム2重化で冗長性を確保
Part4 2020年の自動運転戦略
高速道路の複数車線における「レベル3」相当の自動運転技術を2020年に確立する。緊急時などに対応するため、センサーシステムなどを2重化して冗長性を確保。機能面では、車線変更時などのハンズオフや渋滞追従時のアイズオフを可能にした。自動運転の開発で得られた技術を投入し、現行の予防安全システムも進化させ…
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AIで歩行者や車両の動きを予測
Part5 2025年以降の高度自動運転
2025年以降に実用化を目指す「レベル3」相当の自動運転では一般道も対象にする。AI(人工知能)を活用して、歩行者や車両の次の動きを予測する仕組みを整える。