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横串の組織でソフト開発

 アイシングループが扱うECUは幅広い。自動変速機(AT)やブレーキの制御ECUから、ドアやサンルーフなどのボディー系ECU、カーナビや自動駐車システム、運転者監視システム(DMS)などの情報系ECUまで手掛ける。それぞれのECUでバラバラにソフトを開発するのではなく、グループ横断型の組織が開発を一元化し、効率を高める考えである。

 その組織が、植中氏がトップを務める「電子センター」だ。アイシン精機は21年4月にアイシン・エィ・ダブリュ(アイシンAW)と経営統合するが、これに先立ち20年4月に社内カンパニー制を導入した。カンパニーは事業別に「パワートレイン」「走行安全」「車体」「アフターマーケット」「L&E」「CSS(コネクテッド・アンド・シェアリング・ソリューション)」の6つに分かれる。6カンパニーのソフト開発を横串で担うのが、電子センターである。

 電子センターの前身は、17年4月に立ち上げた「情報・電子バーチャルカンパニー」である。アイシンAWでカーナビを開発していた情報系の技術者と、アイシン精機でボディー制御を担当していた技術者が連携し、統合ECUの開発などを進めてきた。現在は、電子センター内の「電子制御プラットフォームグループ」がその開発を継続している。同グループの人員は約20人とする。

 開発中の統合ECUでは、運転者がクルマに乗り込む際に、DMSで個人を識別し、ユーザーの好みに合わせてシートの位置を自動的に調整するなどの機能を想定している。また、ユーザーの好みをクラウドで分析し、システムがユーザーに対してさまざまな提案を行うことも想定する。この技術は、20年1月に開催した「CES」で展示したコンセプトカー「i-mobility TYPE-C 20」にも生かされているという(図4)。

図4 CESで展示したコンセプトカー
図4 CESで展示したコンセプトカー
車内外の障害物や乗員をセンサーで監視し、自動運転車の安全・快適な乗り降りを支援する。(出所:アイシン精機)
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