全9076文字
PR

自動車関連の技術者を対象に実施したアンケート調査では、テレワークの実施率は8割超も現状のテレワークや出勤の状況に満足している技術者は半分以下だった。テレワークでは、実施が難しい業務と、効率や質が低下してしまう業務の存在が関連しているとみられる。自動運転や配送サービス、小型モビリティーなどへのニーズが増すとみる技術者が多かった。

 新型コロナウイルスの感染拡大の影響によって、自動車産業界における技術者の働き方や社会・消費者のニーズはどう変化し、今後どうする必要があるのか―。企業は事業を安定させるために、どのような事業体制の見直しが必要なのか―。これらを明らかにするために、本誌では自動車関連の技術者を対象に「アフターコロナの自動車産業〜技術者の働き方と社会・消費者ニーズはどう変わるか」というアンケート調査を実施した。

 調査対象は、メールマガジン「日経 Automotive News」の登録者、およびWebサイト「日経クロステック」の登録会員(半年以内にアクセスがある会員に限定)。調査期間は、2020年6月18〜19日の2日間で、有効回答数は219件だった。

テレワーク比率高めるべきは約半数

 同調査で明らかになったのは、主に以下の点だ。まず、所属する部署で直近1カ月にテレワークを実施した比率は全体では84.5%と高かったが、ものづくりの下流ほど、電気・電子系よりは機械系を対象としている技術者ほど、企業規模が小さいほど、テレワークを実施した比率が低いことである(図1)。ソフトウエアの方がハードウエアよりもテレワークを実施しやすいと推測していたが、一概にそうとは言えなかった。電気・電子系ハードウエアの方がソフトウエアよりもテレワークの実施比率は高かった。

図1 直近1カ月において、あなたが所属する部署はテレワークを実施しましたか(ひとつだけ)
図1 直近1カ月において、あなたが所属する部署はテレワークを実施しましたか(ひとつだけ)
(出所:日経Automotive)
[画像のクリックで拡大表示]

 全担当業務中のテレワークの実施割合は、テレワークを実施した技術者と担当業務が同じグループにおいては54%と半分強だった(図2)。ただ、その比率を今後高めるべきと考える技術者は50.2%とほぼ半数にとどまり、28.8%は今と同じで構わない、16.9%は低くすべきと回答した(図3)。

図2 直近1カ月における、あなたと担当業務が同じグループでのテレワークの実施割合は平均するとどのくらいですか(ひとつだけ)
図2 直近1カ月における、あなたと担当業務が同じグループでのテレワークの実施割合は平均するとどのくらいですか(ひとつだけ)
(出所:日経Automotive)
[画像のクリックで拡大表示]
図3 あなたが担当している業務では、今後テレワークの比率をどのようにすべきだと思いますか(ひとつだけ)
図3 あなたが担当している業務では、今後テレワークの比率をどのようにすべきだと思いますか(ひとつだけ)
(出所:日経Automotive)
[画像のクリックで拡大表示]