カーボンニュートラルの実現に向けた「脱エンジン車」宣言―。エンジンは、かつてないほどの存続の危機に見舞われている。だが、逆風はそれだけではない。排ガス規制だ。もっとクリーンにならなければ生き残れない。排ガス規制強化の方向性とさらなるクリーン化に向けた方策を探った。

写真:トヨタ自動車(左上、中央の上・中・下、右中央)、AVL(左下の左・右)、堀場製作所(左下の中央)、ジョンソン・マッセイ(右上)、IAV(右下)
カーボンニュートラルの実現に向けた「脱エンジン車」宣言―。エンジンは、かつてないほどの存続の危機に見舞われている。だが、逆風はそれだけではない。排ガス規制だ。もっとクリーンにならなければ生き残れない。排ガス規制強化の方向性とさらなるクリーン化に向けた方策を探った。
Part1 クリーンでなければ生き残れない
カーボンニュートラルの実現に向け、続々と発表される「脱エンジン車」宣言。だが、エンジンに突き付けられているのは、二酸化炭素(CO2)の削減だけではない。2025年以降には一段と厳しさを増す各国・地域の次期排ガス規制が施行を控える。欧州連合(EU)や米カリフォルニア州では既に、作成に向けた作業が進行…
Part2 次期排ガス規制の衝撃
現行よりもはるかに厳しくなると予想される欧州連合(EU)の次期排ガス規制。その最初のドラフト作成に向けて議論が進む。中でもその厳しさが大きく増すとみられるのが、冷間始動時や高負荷運転時の排ガス。早ければ2025年にも施行され、待ったなしの対応が迫られる。
Part3 クリーン化へのアプローチ
冷間始動時や高負荷運転時の排ガスにさらにメスが入りそうな次期排ガス規制。その対応で求められるのが、暖機、空燃比制御、ノッキングなどの改善だ。二酸化炭素(CO2)の低減で進む電動化も、排ガスクリーン化の武器の1つになる。プレチャンバー点火や相変化冷却システムなどの新たな要素技術にも期待だ。