クルマの付加価値がソフトウエアにシフトすると言われて久しい。ECU(電子制御ユニット)開発の現場ではプロジェクトの規模や複雑さが指数関数的に増大している。これまでの開発手法が通用せず、自前の基本ソフト(OS)やクラウドベースの開発/テスト環境など、“IT流”の手法を駆使して乗り切る方向である。ただ、それだけではモビリティー市場への支配力を強めるIT企業に勝つことは難しい。ものづくりを知り尽くした自動車メーカーならではのソフト戦略が求められている。

クルマの付加価値がソフトウエアにシフトすると言われて久しい。ECU(電子制御ユニット)開発の現場ではプロジェクトの規模や複雑さが指数関数的に増大している。これまでの開発手法が通用せず、自前の基本ソフト(OS)やクラウドベースの開発/テスト環境など、“IT流”の手法を駆使して乗り切る方向である。ただ、それだけではモビリティー市場への支配力を強めるIT企業に勝つことは難しい。ものづくりを知り尽くした自動車メーカーならではのソフト戦略が求められている。
Part1 いざ“都市OS”へ
トヨタ自動車の実験都市「Woven City(ウーブン・シティ)」の建設が2021年2月から始まる。注目すべきは、ソフトを中心にものづくりを変革する「ソフトウエアファースト」の考え方だ。スマートフォンの世界で常識となっている独自OS(基本ソフト)によるプラットフォーム支配の構図をクルマやスマートシ…
Part2 複雑化するECU
ドイツVolkswagen(フォルクスワーゲン、VW)の新型電気自動車(EV)「ID.3」は、OTA(Over The Air)に対応した大規模な統合ECU(電子制御ユニット)を搭載する。そのソフトウエア開発は、600人が延べ200万時間を費やす大規模プロジェクトとなった。従来の開発手法が通用せず…
Part3 クルマにDevOps
自動車メーカーが「DevOps(デブオプス)」と呼ばれるソフトウエア開発手法に力を入れている。「トヨタ生産方式のソフト版」ともいえる取り組みで、“ソフト工場”などとも呼ばれる。IT分野で実績のある効率的なソフト開発手法を取り入れることで、CASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)への…
Part4 データ支配への道
米Amazon.com(アマゾン・ドット・コム)傘下の同Amazon Web Services(アマゾン・ウェブ・サービス)と、車載OS(基本ソフト)「QNX」を手がけるカナダBlackBerry(ブラックベリー)は自動車用のデータ基盤「IVY(アイビー)」を共同開発する。リリース時期は明らかにし…