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旧カルソニックカンセイとイタリアMagneti Marelli(マニエッティマレリ)の統合で生まれたマレリは、傘下のWhite Motion(ホワイトモーション、さいたま市)を通じて自動車セキュリティー市場を攻める。ホワイトモーションの強みは、多国籍の人材を生かした侵入テストやコンサルティングだ。マレリと共同で車両のセキュリティー監視技術も開発しており、サービス提供を模索している。

 自動車セキュリティーの専門企業、White Motion(ホワイトモーション、さいたま市)は旧カルソニックカンセイとフランスのセキュリティー企業Quarkslab(クオークスラボ)の合弁として2017年に設立した。19年にカルソニックカンセイがイタリアMagneti Marelli(マニエッティマレリ)を買収しマレリになったことを機に、ホワイトモーションはクオークスラボとの合弁を解消し、マレリの100%子会社となった注1)。現在はイタリアにいるマレリのセキュリティーチームと連携しながら技術開発に取り組んでいる。

注1)クオークスラボはIoT機器や産業機器、航空機などのセキュリティーに強い。ホワイトモーションは設立当初、クオークスラボとの合弁によって人材育成などに取り組んだが、すでにその目的は十分に果たしたと判断し、合弁を解消した。

 引き合いが多いのは侵入テスト(ペネトレーションテスト)だ。これまでに車両1台丸ごとの試験やECU(電子制御ユニット)ごとの評価、複数のECUを組み合わせたサブシステムのテストなど、約10件の実績がある。テスト拠点の1つ、栃木県佐野市の「マレリテストセンター」では、電波暗室とシャシダイナモを備え、「走行状態の車両に対し、無線経由で侵入テストが可能」(ホワイトモーションAutomotive Cyber Security Technology Architectの勝又慎一氏)とする(図1)。車両の仕向地によっては電波を遮へいする必要があるため、電波暗室は欠かせないと話す。

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図1 侵入テストに強み
(a)栃木県佐野市にあるマレリテストセンター。(b)ホワイトモーションAutomotive Cyber Security Technology Architectの勝又慎一氏。(出所:マレリ/ホワイトモーション)

 侵入テストの受託に加え、コンセプト設計段階での脅威分析や、テスト手法の提案・作成などのコンサルティング業務もこなす。自動車セキュリティーは多くのメーカーにとって未経験の領域であるため、「コンサルティングへの引き合いは強い」(同氏)という。