「今さらの“直6”開発、大丈夫か」―。直列6気筒エンジンを新開発し、それを載せるFR(前部エンジン・後輪駆動)プラットフォームまで用意したのがマツダである。時代に逆行するような戦略に見えるが、開発担当役員へのインタビューや新型「CX-60」の先行試乗などからマツダの狙いが浮かび上がってきた。エンジンをリスクヘッジ(回避)策の中心に据える、“業界のスモールプレーヤー”ならではの生き残り策を探った。

特集
マツダ、エンジン軸足の勝算
目次
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今さら直6・FR、3つの必然
Part1 軸足はエンジンのまま
世界シェア2%未満の自動車メーカーであるマツダが、エンジンから軸足を移さない。この時代になぜ、直列6気筒(直6)エンジンを新開発する必要があったのか。キーワードは、「北米」「環境規制」「2030年以降」の3つだ。
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試作車減らし開発費25%削減
Part2 PF担当役員インタビュー
マツダの命運を左右する新プラットフォーム(PF)「ラージ」(以下、ラージPF)。その量産開始から一息つく暇もなく、現在は電気自動車(EV)専用PFの開発を急ぐ。
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直6開発「ただでは起きない」
Part3 パワトレ担当役員インタビュー
直列6気筒(直6)エンジンにプラグインハイブリッド車(PHEV)、そして組み合わせる8速AT(自動変速機)も新開発―。量産が始まった「ラージ商品群」に向けて、マツダがパワートレーンを刷新した。