全3028文字
PR

電気自動車(EV)の実用性や魅力に大きく影響を与えるものの1つが電動パワートレーンだ。中でも重要な役割を果たすと期待されているのが動力伝達機構である。蓄積されてきた技術だが、動力性能や電費の改善、車室や荷室の拡大、静粛性の向上など、EVの進化をけん引する可能性がある。

 EVの電動パワートレーンで使われる動力伝達機構は、主に減速機や差動歯車装置(デフ)などだ。駆動用モーターの出力を駆動輪の車軸に伝えるための機構である。

 こうした動力伝達機構がEVの差異化に重要なのは、それが直接的もしくは間接的に、EVの実用性や魅力に影響を与えるからである。動力性能や電費、満充電での航続距離(以下、航続距離)はもちろん、静粛性、車室や荷室の広さや最低地上高などまで、その影響は及ぶ。

 例えば、電動パワートレーンの大きさは、EVの車室や荷室の広さ、最低地上高に影響する。駆動用モーターを小型化しようと、同モーターの高回転化を図ると、減速機やデフといった動力伝達機構のギアノイズが増大する。エンジンを搭載しないEVでは、そのギアノイズが目立ってしまうため、動力伝達機構が静粛性の鍵を握ることになる。