メガサプライヤーがもがいている。欧州の次期排ガス規制「Euro 7(ユーロ7)」の導入が想定より前倒しになり、同時に電気自動車(EV)シフトへの対応も求められる。クルマの価値の中心になりつつあるソフトウエアの開発も急務だ。四苦八苦する隙を突くように、中国勢をはじめとする“メガ予備軍”は取り組みを加速させる。世はまさに、メガサプライヤー新戦国時代である。

特集
メガサプライヤー新戦国時代
目次
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ユーロ7、ソフト対応が焦点に
Part 1 EVシフトが招く下剋上
メガサプライヤー各社は、難しいかじ取りを迫られている。電動化対応を進めるパワートレーン部品の開発では、欧州の次期排ガス規制「Euro 7(ユーロ7)」を受けての戦略の見直しが急務となる一方で、新領域のソフトウエア開発も進めなければならない。電気自動車(EV)シフトを契機に台頭する新規参入メーカーや…
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“カスタマイズ力”で差を付ける
Part 2 電動アクスル、次の競争軸
リチウムイオン電池と並んで電気自動車(EV)の中核部品になりつつある電動アクスル。異業種や新興メーカーの参入が相次ぐ中、メガサプライヤーは戦略の立て直しを急ぐ。標準品を中心とする事業モデルを生かしつつ、技術の選択肢を増やして多様なニーズに応える。“カスタマイズ力”を高めるため、パワー半導体やインバ…
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ソフト時代の苦労と勝ち筋
Part 3 コンチネンタルCEOが語る
標準化した部品を大量に供給することで成長してきたメガサプライヤー。この戦略は、クルマの価値がハードウエアからソフトウエアに移っても通用するか。ドイツContinental(コンチネンタル)でCEO(最高経営責任者)を務めるNikolai Setzer(ニコライ・セッツァー)氏に疑問をぶつけた。
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わずか10年で“メガ”が視界に
Part 4 急浮上するファーウェイ
「日欧のメガサプライヤーのライバルになり得る存在」―。こうした評価を耳にすることが増えたのが、中国・華為技術(ファーウェイ)である。同社が車載部品事業を本格化したのは2012年のこと。通信機器大手がいつの間にか、自動車業界のダークホースとして急浮上してきた。