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メガサプライヤー各社は、難しいかじ取りを迫られている。電動化対応を進めるパワートレーン部品の開発では、欧州の次期排ガス規制「Euro 7(ユーロ7)」を受けての戦略の見直しが急務となる一方で、新領域のソフトウエア開発も進めなければならない。電気自動車(EV)シフトを契機に台頭する新規参入メーカーや中国の新興勢との競争も待ち構える。

 先延ばしになっていた欧州の次期排ガス規制「Euro 7(ユーロ7)」の方向性がようやく固まった。欧州委員会(EC)が2022年11月10日に規制案を発表。適用時期が想定より早まる見通しだ。今後、欧州理事会と欧州議会で審議され議決されれば、2026~2027年ごろとみられていた乗用車への適用開始が2025年7月に前倒しされることになる(図1)。

図1 メガサプライヤーにのしかかる課題
図1 メガサプライヤーにのしかかる課題
既存領域であるパワートレーン部品の開発ではユーロ7対応、新領域ではソフト開発が課題となる。EVシフトやソフトの価値向上による水平分業化で、中国メーカーや異業種からの新規参入勢が力を伸ばしており、メガサプライヤーの新たな競合として浮上する。(出所:図は日経Automotiveが作成、画像はベントラー)
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 適用までの期間の短さには、懸念の声が広がる。欧州自動車工業会(ACEA)は「適用までに準備が整わない可能性が高い。膨大な車種での開発、設計、試験が必要なことを考えると、現実的ではない」と批判する。トヨタ自動車のあるパワートレーン技術者も「もう少し余裕が欲しい。すぐに要件や試験法などを読み込み、対応を進めなければならない」と危機感を募らせる。ある欧州系メガサプライヤーのパワートレーン技術者は、ユーロ7の提案を受け「パワートレーンの比率予測を見直すことになるだろう」と語る。