次世代車を支える機械(メカ)技術はさまざまである。そこには、電動化の進展に寄与するものもあれば、車両の制御性を高めるものもある。機能を機械的につくり込むことで、ソフト開発の負担を減らせるものもある。次世代車の実現・発展に、メカ技術の進化は欠かせない。
電動化の進展に寄与する技術の1つが、電動アクスルの小型・軽量化に貢献する差動歯車機構(ディファレンシャルギア、デフ)の技術である。デフは、車両が旋回する際、左右の車輪の回転差を吸収して円滑に曲がれるようにする機械部品だ。そうしたデフを高トルク密度化して電動アクスルの搭載性向上や、電気自動車(EV)の1充電当たりの航続距離(以下、航続距離)延長に寄与しようと取り組んでいるのが、ジェイテクトである。
電動アクスルは、モーター、インバーター、ギアボックス(減速機、デフ)から成るEVの主要部品の1つ。デフを高トルク密度化すれば、電動アクスルの小型・軽量化につながる(図1)。